川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。

 話を総合すると、駒澤大高にとっては必然的な勝利だったようである。

 決勝ゴールの#11須貝暁は、後半に2本ほど決定機を外す。だからこそ、メンタル的に落ちかけていたときの、チームメイトからの声が救いになったという。例えば決勝点をアシストした#8黒木海人は「CKの時に捕まえて『落ち着けよ』と」話しかけている。その声にも励まされた須貝のゴールは、不思議なまでのどフリー状態。それについて須貝は動き直しをしていたと話す。マーカーの#5植田直通に対し「一度後ろに下がって」マークを外し、そこから「植田ともう一人の間に入りました」と解説してくれた。ちなみにそうした予備動作については、大野祥司監督から教わったという。

 前半押され気味に見えた駒澤大高が、後半になって盛り返したのにも訳があった。前半、大津の左サイドハーフ#11宮本清史朗が駒澤大高の右サイドを崩し続けており、試合のアクセントになっていた。駒澤大高の大野監督は、その宮本対策として、後半48分に右サイドバックの#13倉本裕希に代えて#14東呈次を投入。ボランチに入っていた#6宮崎力太郎を右サイドバックに入れるのである。そしてこの采配がピタリとはまり、宮本の攻撃はパタリと止まる事となる。

 これまでの数大会を通して見てきた大津の印象は、個よりは組織を重視するチームである、というもの。つなぐべきところはちゃんとつなぎ、試合をきっちりと組み立てられるチームだと考えていた。そしてその組織性が大事な局面で個を抑制し、ここ一番で勝ちきれない要因となっていたのだろうと分析していた。それがこの開幕戦に関しては、1対1で積極的に仕掛ける場面が目立っており、これまでの印象をいい方向に転換させられていた。「なかなかやるな」と。しかし、その思いを持ち続けられたのも前半終了まで。後半に入ると、前述のとおり宮本の左サイドからの崩しを防がれた場面を筆頭に大津の仕掛けはなりを潜めた。

 大津の仕掛けについては#10若杉拓哉が、駒澤大高のビデオをチェックした上で「今日はサイドから行こう、という話はしていました」と述べている。つまり大津は意識的に1対1で仕掛け続けていたのである。しかし、駒澤大高の対応により、大津は後半その仕掛けを無効化されてしまう。つまりあの仕掛けが駒澤大高を相手にした「大津・特別バージョン」であったのなら、その戦いを断念し「大津・普通バージョン」に戻せればよかったのである。しかし、彼らはそれができなかった。前半のいいイメージが残っていたのか、最後まで試合を立て直すことができず、そのまま時間を浪費してしまった。

 そんな大津の変調を象徴に示しているのが、決勝点の場面であろう。ゴール前にクロスを入れた黒木がボールを奪った相手は、前半の大津最大の武器であった宮本。ボールを奪った黒木は、自らが励ました須貝へとピンポイントのクロスを入れるのである。

 ベンチワーク。そしてピッチ上での選手間のコミュニケーションを総合した上で、この試合の勝者として駒澤大高の名が刻まれる事は十分な妥当性を持っていた。
#10若杉拓哉(大津・熊本県)
 ゲームコントロールはうまくいっていたんですが、もっと中盤を使おうという事は言っていました。
 憧れだったこのピッチでできたんですが、負けて残念です。ぼくには来年もあるので、来年はここで優勝して悔し涙ではなく嬉し涙を流したいです。
 相手のビデオを見ていたし(仕掛けの)対応はしていました。今日はサイドから行こう、という話はしていました。これからしっかり練習して、来年も来られるように頑張ります。
#4大畠一馬(駒澤大高・東京都B)
 最後はピンチでしたが、PKを止めてくれました。
 初出場なので、緊張せずにいつもどおりプレーしようと思いました。1点目は自分のミスでしたが、みんなが2点取ってくれました。まず1勝できましたが、また国立でできるよう頑張ります。

#1岸谷紀久(駒澤大高・東京都B)
 自分たちの力を出せるように、みんなの為に恥ずかしくないようにプレーしました。
 PKになった場面では、みんなに借りを返すチャンスだと思いました。自分はPKが好きなので、自信を持ってやりました。自分たちは失うものがないので、自分たちの力を出せるように準備したいです。
(PKストップは)たまたまだったので、びっくりしました。相手は緊張しているように見えました。
(PKについては)審判のジャッジは絶対なので、とにかく止めることだけに集中しました。今までPKは、前育とか八千代とかで止めていたので自信がありました。
 PKの時は全体を見て、相手の目とかを見て決めます。あとは色々なGKコーチと話しをしていくうちに、そういう形になりました。いろんな雰囲気で判断してます。
(右に飛んだのは)熊本県大会の決勝で、彼が左隅に蹴っていたので、彼はぼくがそれを見ていたと思うので、多分そこには蹴らないだろうと思ったので。

#11須貝暁(駒澤大高・東京都B)
 大学にそのまま上がります。ドログバが好きです。岡崎選手に似てると言われてます。監督にも先輩にも言われました。
(監督からのハーフタイムの指示は)リズムが悪い時に粘ってチャンスを決めろと。最後まで走り続けろと言われました。
(2点目について)オレのマークは植田(直通#5)で、あそこにいると動けないので一度後ろに下がって、植田ともう一人の間に入りました。そこによく上げてくれました。普通に入っていたら、あの点はなかったです。
(そうした動きについては)監督からそういう入り方もあると言われていました。
(前半の流れの悪い時間帯については)DFが守ってくれると信じて、前に来たら粘ろうと思っていました。
 後半に2本くらい外してしまってメンタル的にも落ちましたが、周りからの声にも励まされました。(ゴールの瞬間)自分の中では「やっとか」と思いました。周りの声だったり、応援団からの声で助かりました。
(今日やってみて)通用するというのはありました。頑張ればできると思いました。
(PKの場面は)マジかと思いましたが、岸谷が止めてくれると信じてました。止めてくれたときは勝てたと思いました。

#8黒木海人(駒澤大高・東京都B)
 120%チャレンジャー精神でやりました。東京は開幕戦で勝てていない。そういうのもあって、勝ちたかった。
(全体的に小柄だが)だからこそ、予測と準備をテーマに練習しました。負けてもいいから競ろうと。
(悪い時間帯があったが)そこで2失点目を取られなかったのがよかったと思います。いままでは大量失点もありましたし。
(須貝くんが外していたことについて)CKの時に捕まえて「落ち着けよ」いいました。それで落ち着いてくれたので心強かったですね。
 後半に宮崎(祐介)がディフェンスラインに入った事で、安定しました。
 自分たちで意見を言い合えるのがいいと思います。ロングスローでも「どこに当てたいのか」という事と「中はこうしたい」という事をぶつけ合えた。言い合いのケンカもしますが、勝利のために声をぶつけ合うのが大事。そこで引きずるようなヤツはガキなので。
 初出場で開幕戦、国立。相手は大津さんということで難しい試合になりましたが、思ったよりも前半おちついて戦ってくれた。後半、チャンスが来ると話しました。
 選手が粘り強くチャンスをものにしたと思います。
 PKは岸谷(紀久)がよく止めてくれたと思います。
 指導者としてまた国立でできるとは思っていなかった。Aブロックはどこも強豪ですしチャレンジャー精神で頑張って上に行きたいと思います。
 緊張せずに平常心でやろうと。思ったよりも前半に選手たちが落ち着いて普通通りにやってくれたと思います。
 右サイドバックの吉川(大星)が鹿島学園さんとの練習試合で後十字を痛めてしまい、前半は倉本(裕希)を出しました。その後、交代してうまくはまりました。
 最後は危なかった。大津は180cmの選手が5~6人いましたし。あのPKを入れられていたら、PK戦では負けていたかもしれません。ただ、岸谷は努力家なのでそれが結果につながったと思います。
 アシストの黒木のロングスローは、3年になってから投げられるようになりました。彼が投げられるようになって攻撃に迫力が出せるようになりました。
(交代について) フォーメーションは4バックのままでしたが、ボランチの宮崎(力太郎)を右サイドバックに入れました。#11の宮本(清史朗)くんが出てくるので。宮本くんを1試合抑えるのは倉本では無理です。
(守備に関しては)前半は球際で厳しくいけなかったんですが、前半の最後10分くらいにやれるようになりました。
(高さに関しては)相手には米良(知記#9)くんとか、藤本(貴士#4)とかがいるんですが、負けてもいいから競りなさいと。そこで特別やられたということはなかった。
 うちはスポーツ特待では取れるわけではないので、たまたまです。そのなかで大畠(一馬#4)、長澤(卓己#7)は1年から出てて大した奴らだなと思っていました。
(監督自身が)準優勝したのは21年くらい前なんですが、ピッチから控え室までが長いので、ハーフタイム10分しかないから時間がなくなるという事は言っていました。
#10森勇人(名古屋U15)
 ユースでは1年から出たいです。プロになりたいですし高校生でもトップに上がれるようにしたい。ピクシーのもとでサッカーしたいです。


#11北川柊斗(名古屋U15)
 夏はまとまりがなかった。一人ひとりがバラバラで、チームとして勝てる状況になかった。秋くらいからみんなの意識がひとつになって、だんだん勝てるようになってきた。
 監督がまとめてくれました。練習で監督が厳しい言葉をかけてくれた。
 ゴールを狙う事は大事ですが、得点王は意識していませんでした。夏は得点王しか狙っていませねした。それが逆の意識になりました。
 みんなで出来るのは今日が最後。一つでも多くみんなとサッカーやりたい気持ちがあった。勝ちたい気持ちを(ゴールへの気持ちよりも)優先させました。
(7月下旬にトップで練習したが)トップとユースの差はだいぶありました。ぼくが参加したときはトップは本気ではなかったのに取れない。闘莉王が後ろに居て、威圧感がすごくて何もできませんでした。A代表のオーラを感じました。
 夏は体が壊れるくらい重たくて、トップからクラブユース、ブラジル遠征、ウズベキスタンと遠征したんですが、クラブユースまではよかった。ただ、ブラジル遠征の時は移動もあって疲れていた。トレーナーさんに相談しました。この大会でコンディションがよくなってよかった。
 ウズベキスタンではご飯が合わず、お腹を壊してばかりでした。今は65kgくらいあるんですが、その時は58kg位まで体重が落ちました。
(得点シーンは)たまたまボールが来ました。こぼれると思っていて、前に来たので押し込みました。
(アシストについては)自分の中ではクロスを上げやすかったので上げました。
 夏まではプレーに余裕がなかった。周りが見えていなかった。この大会は余裕を持って楽しくやれました。ゴールを狙うのは当然なんですが、でも無理なときは行かず、はたくところはパスを出して、もう一度もらう。それは監督にも言われました。
(来年のU17W杯について)アピールして、吉武さんが今日見てくれていたのかはわかりませんが、結果は出せました。選ばれるように頑張ります。
(森について)いいパスを出してくれる。うけやすいし、技術もあって出したいタイミングで出してくれる。彼がいたからこそ、今大会優勝できたと思います。



#14中島康輔(名古屋U15)
 ミスしてもフォローして、チームの雰囲気をよくしようと思っていました。


#6石川大貴(名古屋U15)
 1−0、2−0で勝つ。今までなら5−0、6−0の大勝を目指していたが、勝ちに行くサッカーが出来るようになった。
 今日は相手のFWよりもポジションが低かった。FWとMFの間に入りたかった。自分としては、満足できなかったです。
#11岩元 颯オリビエ(京都U15)
 全然ダメでした。自分の甘さが大事な試合で出てしまいました。結果を残せず、貢献もできなくてすまないという思いです。
 うちはDFラインが強いので、そこからのカウンターで裏に抜け出すことを意識していました。どんな展開でも点を取りたかったです。
(後半開始直後のシュートについて)ああいう大事なところで決めないと。あそこで決めていれば、試合ももっと有利に進められたと思います。
 夏にクラブユースの全国大会に出られず、今日まで辛い練習に耐えて頑張ってきました。今年は試合に出させてもらえていろいろな経験をしました。今日の悔しさは来年に晴らしたいと思います。
 
#15瀬戸口大智(京都U15)
 突破してクロスをあげようと。FWに代わったときは、ゴールを目指していました。
 今日はチームとして裏を狙おうとしていました。ただ、緊張しましたしグランドが良すぎてボールが止まってしまった。裏狙いはチームの戦術なので、それは仕方ないと思います。
 今後はユースで活躍するのが大事。ユースのレベルが高いので、練習についていくのが大事になります。
 FWをやったのは準決勝が初めてでした。サイドハーフとサイドバックはよくやっています。
 今後は相手との間合いの取り方を上げていきたい。今は瞬発力で抜く感じ。50mは6.4秒で、100mは12秒ジャストです。日本代表の長友選手が目標です。運動量がすごい。
◯川勝博康監督(京都U15)
 夏は全国にも出られなかった。そこからチームがひとつになった。夏から考えれば、成長できたと思います。
(相手の9、10の攻撃については0うちの場合は個人にマークを付ける事もなく、チームでやってきた守備で対応しようとしました。
 守備から攻撃につなげるところがうまく行かず、得点を奪えませんでした。途中までは狙い通りです。
(試合中に瀬戸口をFWで起用したのは)オリビエの体調が良くなかったので。後半になってパフォーマンスが落ちてきていましたから。
(瀬戸口については)瀬戸口頼みになるかと思ったが、セットプレーとか、瀬戸口のカウンターが得点になればと。
 相手との力関係を見ればこうなるのかなと。
 名古屋さんは9、10の個の力が高い。結局はそこをどう守れるのかということ。うちは2年生が半分くらい出ていますし、そこはよく対応したと思います。
 前半に何度かチャンスがあったんですが、あれが入らなかった。前半はうちの思い通りに運んでいて、そこで点が取れれば流れも変わっていたと思います。
(SBの上がりがあまりなかったが)基本的にポゼッションして時間を作らなければサイドバックは上がれない。両サイドハーフで崩そうと思っていました。
◯高田哲也監督(名古屋U15)
 相手が前に長いボールを入れてくるので、ハマればうまく対応できると。前半はバタバタしたが耐えました。対応はスムースに行きました。ある程度はうちも攻撃陣の人数を増やしたかった。リスクマネージメントさえできれば対応できると思っていました。
 結果的には、もってました。
(セットプレーの守備について)神がかっていると思いました。ポストとバーと。今年は痛い思いをしてきていたので、そういう中で一人ひとり力をあわせることができた。個性が強いので、やりたいことをやってたのが、首の皮一枚で(間に合って)やるべき事をやってくれました。
 無失点優勝については、あまり触れたくないんですが(笑)気がつけば。準決勝の時もポジショニングはムチャクチャな中でGKのファインセーブがあったりで。まだまだですが、みんなが一つになりました。本人たちが一番ビックリしていたと思います。
(京都は)10、11と両サイドハーフの4枚で攻撃できる。ただ、うちもある程度身体能力高いので、うまく対応してくれました。
(北川柊斗に関しては)U16のアジア予選でコンディションが落ちて、彼だけ試合に出られなかった。そういう悔しさを持っていたと思う。得点王は予想外でした。彼には「お前が勝負を決めろ」と。このメンバーでやれるのは今しかない。最後、チームとしてまとまっていたと思います。
(京都のブロックが硬かったが)10番がキーでした。ボランチとCBの間があく。そこに北川が入ってチャンスのきっかけになった。彼は前を向けていたし、狙い通りパスを出せるし自分でも行けた。それで相手が絞ってくれたら、うちの11と19のサイドも空きますし。
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#8笹倉蓮
4−1−4−1の神戸U15において、4枚のMFの真ん中に位置していた。1トップの#17藤本裕豪が名古屋U15のCBとボランチの間に入り込んでポイントを作り、その藤本をサポートする形で攻撃に絡む。ファーストチョイスが前なのだろうと判断できるプレースタイルで好感が持てた。コンビを組んでいた#20高橋醇のプレーがセーフティーなものに偏りがちだったため、攻守において役割分担をしていたのかもしれない。
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#10森勇人、#9北川柊斗(2トップ)
この二人で攻撃を組み立てられる力強さを持っていた。名古屋U15の高田哲也監督もこの二人の能力を認めており「9番の北川(柊斗)のところで収まりますし、森(勇人)も時間を作れる」と戦術的な面での重要性を口にしていた。
ちなみに北川に関してはU18でも試合に出場し活躍しており、ユース年代でも通用する技術を持っている。名古屋U15の攻撃のスイッチを入れられるコンビであり注目してほしい。

#6石川大貴、#8金来遠(ボランチコンビ)
オフェンシブな意味で驚かされたボランチコンビ。前線の2選手が起点を作り、時間を作るとすかさずフォローに入る機動力がすばらしい。またその機動力が十分に発揮されて生まれた石川の前半終了間際の先制点が名古屋U15に勢いをもたらしている。ちなみに記者席ではその石川のゴールの場面で軽い悲鳴が上がった。というのも、一つ余分に持ち出した事でショートコースが少なくなってしまったからである。相手DFのスライディングの寸前だったのか、それとも足をかすめたのかは分からない。しかし、結果的にゴールが決まったことで事無きを得た場面だった。
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#18神沼拓海
1点を追いかける後半の頭から出場し、試合の流れを変える。特徴は縦へと付けることを意識し続けた攻撃的なパス。常に前を意識しており、追浜にとっては攻撃時のエンジンとなった。足元の技術も正確で、つなぎのパスに関してはほぼノーミス。崩しのパスでいくつかカットされてはいたが、そもそもが勝負のパスであり、通れば決定的というパスコースを選択しているという点で評価したい。また勝負のパスの場合、相手の重心を後ろにかけさせるパスであり、決して危険なパスミスではないという点でも戦略上の意味がある。
パスに加え、高い技術をベースにした縦への突破力も持っていたのが印象的だった。
157cmと小柄なのが惜しまれるところだが、進学した高校での成長に期待したい。

#15橋本和幸
前半は目立たなかったが、追浜がペースを奪い返した後半に、能力を発揮した選手。仕掛けの姿勢が面白かった。途中交代は少々残念。
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#11FW岩元 颯オリビエ
後半49分に交代でベンチに下がるが、非常に印象的な選手であり、ぼく個人の意見としては彼の働きは悪くなかったと思う。
理由はそのゴールへの積極性である。準決勝の2試合を見る中で、岩元以外のほとんどの選手が、シュートに対して消極的だった。打てるタイミングで一つ余分にトラップしたり、パスしてみたり。そんな中、岩元だけはファーストチョイスをシュートにしていた。角度のない場所からでも常にゴール方向を狙うその姿勢に対しては評価は分かれると思う。「周りにフリーの選手がいたじゃないか」と言われてもおかしくはない。ただし、今の日本人選手にはそれくらいの強引さが必要であるのも事実。
この日のプレーに関しては、強引さが空回りしていた部分もあったが、彼が交代した事で横浜FMJrY追浜の最終ラインは、安心していたのは間違いない。後述するが、岩元の交代と、追浜が後半の頭から投入した#18神沼拓海の働きによって後半は追浜が完全にペースを握ることとなる。
ゴールという結果は残せていないが、仕掛けるという積極性により、DFW的な役割を果たした選手である。

#15DF瀬戸口大智
登録はDFであり実際に右サイドバックが本職であるという。ただしこの日は右サイドハーフとして先発し、試合中にFWもこなしている。
特徴はその突破力である。#9奥川雅也の先制点は、彼が突破し、右サイドから入れたクロスから生まれた物。追浜は瀬戸口に左サイドを再三破られたため、サイドバックの#3鬼丸敬、#10田中健太に加え、#6中村凌までもが左サイドをケアする必要に迫られ、バランスを崩すこととなった。
49分の岩元の交代により、トップに入ってからは追浜のディフェンスラインの背後を狙うカウンター攻撃の際に槍として機能し、チャンスを作り続けている。決勝戦でも彼の働きには注目したい。

#9奥川雅也
この日2ゴールの活躍を見せた。左サイドハーフではあるが、ゴール前に顔を出す動きに特徴がある。先制点もさることながら、延長前半の82分に決めた勝ち越しゴールがすばらしかった。岩元の角度のない場所からのシュートが印象深かった試合の中で、この勝ち越しゴールはまさに打つことが予測しづらい場所からのシュートだったからである。岩元のプレーを見つつ「中山ゴン的ゴール(ドーハ・イラン戦)」の話で盛り上がっていただけに、まさにその中山的ゴールを実現した事を評価したい。
絶対音感」の最相葉月(さいしょうはづき)さんの作品。

 東京大学応援部の応援の対象はアメフトやラクロスなどにも及ぶが、そのなかでも中心となるのが東京六大学野球を戦う野球部である。しかし、この東京六大学野球は、東京大学以外の参加五校がそれぞれ立教大学、早稲田大学、慶応義塾大学、明治大学、法政大学の私学であり、それが東京大学野球部にとっては重荷になっている。言うまでもなく東京大学は日本最高峰の大学であり、野球部に人材が集まりにくいためである。そのため、東京大学野球部が六大学野球で勝利することは稀となる。例えば2010年の秋季リーグでは11戦1勝10敗と大負けに負けている。ちなみにこの2010年の1勝は早稲田大学に対してのもので、2008年の秋季リーグ以来2年ぶりのものだった。また早稲田大学は斎藤佑樹、大石達也という大物投手が投げており彼らを打ち崩しての勝利という点で価値あるものだった。

 話がそれたが、要するに東京六大学野球における東京大学野球部という存在は、なにしろ弱いのである。そしてこれは、そんな数年に1度勝てるかどうかというような弱小野球部を応援する応援部という組織に密着取材し書き下ろした作品である。

 スポーツの場に本来あったのは勝たせるための声援である。それが応援としての形式美へと昇華する中、その中心にいる東京大学応援部の苦悩は大きくならざるを得ない。応援しても応援しても結果が出ない。それでも、その結果を自らの内面に投影させ、どうその苦しみと向き合っているのか。応援部としての活動の実態をうまく織り込みつつ描き出した良作である。平成十四年(2001年)に取材した題材をまとめたものだ。

 なお、作中に登場する「ハーイッ」や「イイェーッ」は、文字の印象と実際の発声とでは随分と違う。「ハーイッ」との字面だけを読むと、間の抜けた返事、公家さん言葉か?というような印象があるが実際はかなり違う。「ハーイッ」の「ハ」には濁点を付けるべき。「イイェーッ」もそれぞれの「イ」に濁点が必要であろう。




 ちなみにこの本の取材が行われた翌年に取材されたドキュメンタリーがyoutubeにアップされていた。こちらはこちらでかなり面白い。じきに消されるものと思われるので、早めにチェックしておくといいだろう。結構すごい結末である。

東大応援部 涙の奮闘記 我ら花の応援団 その1,2,3連結/全8


東大応援部 その4/全8「地獄の夏合宿で地獄を見た」


東大応援部 その5,6連結/全8「地獄の大出走 往路・復路編」


東大応援部 その7,8連結/全8「2003秋季リーグ 女神は微笑むのか?」


 ちなみに作中の重要なパートを担う笠谷圭司は現在は三田市議会議員として政治家の道を歩んでいるようである。その笠谷と同期で、上記のドキュメンタリーで竹刀を持ち、後輩をしごきまくっていた中井康裕が結婚した際の記事が彼のブログに掲載されていた。ドキュメンタリーでの鬼の形相とは違う柔和な表情が好対照である。

東京大学応援部物語、登場人物
取材時のリーダーは11人、部員は79人

OB3年目
山口隆史 主将、都銀勤務
OB2年目
伊藤麻保呂 石橋、鶴崎2年時の主将兼リーダー長→学ランを復活。石橋、鶴崎に厳しい体罰。主将として最後の神宮で完全試合をやられる(平成十二年十月二十二日、立教大学の上重聡投手が達成。東京六大学野球史上二度目、三十六年ぶり)
奥村直樹 
OB1年目
宮本賢也 宮本先輩、現役時代は学年にひとりだけのリーダー部員

4年生
石橋悠司 主将、武蔵丸とあだ名される巨漢
鶴崎一磨 リーダー長、副将、2002年9月14日の大学野球増刊号のインタビューにて「負けしか知らない人間では終わりたくない」と答える
矢田ゆかり 主務・バンド部員 法学部、トロンボーン
中村格之 吹奏楽団責任者、工学部土木工学科、桐蔭学園出身
武澤慶 ドラムメジャー、工学部電気工学科
大塚哲也 吹奏楽団指揮、法学部
矢島辰朗 ホルン奏者、工学部電気工学科
今野菜穂子 チアリーダー「KRANZ」22人の責任者、農学部生命科学科
奈良場絵美 トレーニングチーフ
米岡真紀子 新人監督、農学部獣医学専修

坂尾昌紀 明治大学應援團長、重要な役割を果たす

3年生:3人
塩沢勇人 法学部、アイディアマン、茨城県立水戸第一高校応援団副団長、中三の時に見た「きけ、わだつみの声」に感動、平成十四年度の赤門鉄声会報に「君が代を誇れない日本と校歌のない東大」との一文を寄稿
中井康裕 リーダー長サブ、工学部システム創成学科
笠谷圭司 一旦退部、「勝つ気はあるのか」のメールを野球部のマネージャーに送信。野球部に意識改革。応援団内部で問題。高校中退後、大検を経て東大入り。山積する実務の中で壊れる。

大島秀之 法政大学応援団
片山勝太 早稲田大学応援部

2年生:1人
西条拓磨 聖徳学園、メガネを壊されまくる
1年生:5人
合田伊知郎 スキンヘッド、姫路西高校、異色のリーダー
長野俊介 都立八王子東高校時代はハンドボール部
高峰史寿 愛知県立一宮高校時代はバレーボール部、アニメ・アイドルオタク。勢いに押されて入部
渡辺隆明 理Ⅲ(東大医学部)、秀才もしくは、天才。厳しさを求めて入部
金俊亨(キム・ジュンヒョン:韓国からの留学生) 「一度海兵隊は、永遠海兵隊」、「ガイジン最初の主将」を目指す

参考資料
東京大学応援部、基本データ(当時)
設立:昭和二十一年秋 六大学野球にて。昭和二十二年五月に東京六大学応援団連盟結成
OB、OGの組織:鉄声会
顧問 菅野和夫教授・法学部長
「ただ一つ」 東京大学応援歌
「闘魂は」
「大空と」 運動会歌、昭和三十年に安田講堂で発見。北原白秋作詞、山田耕筰作曲。昭和七年制作
「足音を高めよ」 学生歌
淡青旗 応援団旗

平成十一年、産経新聞に「東京六大学『歴史と伝統』変化 花の応援団 リストラ時代」(六月六日付)
◯川勝博康監督(京都サンガF.C. U-15)
 前半の立ち上がりにいい形でチャンスをいくつか作った中で1点が入った。そこで追加点を取れず、流れをつかめなかったです。
 ハーフタイムに延長まであるという事は伝えていました。準決勝まで来ると相手も力がある。そのまま1−0で逃げ切れるものではない。延長まで考えて戦おうと伝えました。
(15番の)瀬戸口大智は最初は右サイドハーフで使いました。(岩元颯)オリビエが良くなかったので、トップに代えて入れました。元々は右サイドバックをやっていたんですが、この大会でMF、FWで使いました。チーム事情とかケガなどがあって機能したので、そのまま続けました。
 夏にプレミアカップに行きまして、マンチェスターとかFCポルトとかインテルナシオナルとかとの試合ができたのがよかった。20チーム中10位で終わりました。
(決勝に向けて)今までやってきたサンガらしいサッカーをして、せっかくここまで来たので日本一になりたい。
(後半攻めこまれた時間帯について)状況に対応するベースは作ってあるので、その中で状況を判断してどうするのか、任せています。
◯北川柊斗選手(名古屋グランパスU15)
 はじめの方は点が入るのかなと思ったんですが、前半の途中から後半の始めの方で攻められてとても怖かったです。
 今日はファイナルまでいけましたが、取られた回数が多くて…。でも少しはよかったと思います。
 負けたくない、勝ちたいという気持ちが体全体に伝わって最後まで走ろうというのはありました。
 無失点は驚きですが、うちのディフェンスは革命というか、失点が多かったんですが、それが抑えてくれました。
(U18ではトップ下だったが)U15ではセンターフォワードがやりやすいんですが、ユースではトップ下のほうがやりやすいです。そこで思い切りできました。ユースでは当たりが激しいのでポジショニングを考えないとダメでした。でもU15ではそれが弱くなるので逆にやりにくさがありました。(懐に入られたり、抑えこむとファールを取られる)余裕があるので逆に考えてしまうということもあった。
 とにかく明後日の試合は、今年タイトルを取っていないですし、みんなひとつになって思い切り楽しんでやりたいです。
 目標にしているのはルイス・ファビアーノです。フェルナンド・トーレスみたいだと言われるんですが、フィニッシュの時にニア上を狙うところとかが好きです。ブラジル人は楽しんでいると思うし、そういうのも好きです。
◯高田哲也監督(名古屋グランパスU15)

 両サイドを突ければいいと思ったんですが、奪いに行ってかわされた。もう一つ攻撃の厚みがなかったという印象です。ただ、前半の最後にラッキーな形で一発とれたので、前半はよかったです。
 後半は相手の17番がボランチとCBの間でフリーになっていた。そこでCBがつぶしに行っても良かったんですが。
 神戸さんが後半に2トップになったんですが、それは助かりました。うちはボランチが攻撃的で食いついてしまうので、2トップにしてもらってよかったです。
 9番の北川(柊斗)のところで収まりますし、森(勇人)も時間を作れる。だから両サイドを突きたかった。
(神戸については)新幹線でビデオを見て対策しました。たまたま準々決勝が名古屋で行われたので、コーチにビデオを頼みました。
 試合が続いていたので(神戸は)落ちてくるかと思ったんですが、逆にボールを動かされてヒーヒー言う形になりました。
 後半に関しては彼ら(名古屋の選手)が言い合って修正しようとしていたので、言わなくていいと思いました。うちの守備陣がここまで無失点で着ているのが驚き。カバーリングもそうですし、最後は体を投げ出している。成長を感じます。思った以上にやってくれています。
 北川は、一時期オーバートレーニング症候群みたいな感じになったが、どん底まで落ちて上がりつつある。そう考えるとよくやっていると思います。9月のアジア予選前のウズベクでのキャンプから帰ってきてから、ちょっとやっただけで息が上がるようになりましたから。15分くらいで息が上がるのかと思いましたが、活躍してくれました。でも、代表に入ることの宿命ですし、本人の志も高い。動けなくても自覚が大事になる。今日も代えずに行きました。
(決勝の)サンガさんはフィジカルが強い。あのブロックをどう崩すのか、今日明日で考えます。
(決勝は独特の雰囲気になるのでは?)国立に入ったら入ったで、写メ取ったりするんだと思います。瑞穂でもミスター
(ストイコビッチ監督)の真似をして「ここからシュート決めたんだ(日産スタジアムでのダイレクトボレーの事)」とかやってましたから。ボクらの時代とは全然違います。
(2点目からの早い交代について)今季は2−0からの逆転負けは3回位あるんで、疲れていた選手から代えました。
◯野地照樹監督(高知大学)
 もったいなかったなという一言に尽きると思います。風上をとって先手必勝という気持ちを、うまく前半から風上で、うちらしいサッカーができたと思います。先制した後チャンスがあったんですが、なかなか決められなかった。後半、一番怖いのは相手のセットプレーだといういことで、前半からフリーの選手が見えたのでマークしろと行ったんですが、そのフリーの選手の取られてしまった。
 前半の最初の4〜5分でしょうか、えらい早い時間に同点にされて、それでもよく頑張ったんですが、残念ながら逆転されて、シュートがGKの正面に行ったり、最後は實藤を上げてなんとか同点を狙ったんですが、1試合振り返ると前半にもう1点は取って置かなければと。非常に残念な結果です。
 今年は4年生が中心で、實藤がいるし、キャプテンの酒井、芝野、香川。これが去年も総理大臣杯で準優勝して経験もあるし、ぜひ決勝に行きたいと。非常に4年生中心に彼らの個性がでていたと思います。結果は残念ですが、よくやったというのが今日の感想です。

Q:4年生が抜けますが、来年の1年は?
A:教育学部の生涯教育課程に推薦枠があるんですが、7つ枠があって今のところ3名。
 宇和島東のCBで、インターハイの優秀選手です。それから長崎の南山高校。ここからボランチの選手が来ます。この二つの高校は私の教え子が監督をしてて、本人も高知大に行きたいということで。
 もう一人が作陽。背の低い選手なんですがCBでもう少し高いのをよこせよという(笑)。あとは他の学部で一人合格してます。
 いろんなところで、高知大でサッカーやりたいという高校生が多くて、20人くらいが練習に来ました。
 スポーツ科学課程の推薦は難しいので他のところに行ったほうがいい、というんですが、高知大に行きたいという高校生も多い。実技と小論文と面接。本気で入りたいのであれば、いい準備をしないと難しいですよと。
 サッカーはなかなか難しいです。ぼくも実技を受け持つだけですから。スポーツ課程だけは20名。前期が10で後期が3。
 今回出ている柴野は農学部です。今日出ている選手で推薦ではない選手は6人。CBの福本生涯教育課程の生活環境コース。あとは…。いろんな学部からうちにきたい。香川というのは学校教員養成課程、教員免許を取らないと卒業できない。塚本も農学部。浪人も2人います。
 高知大学は推薦枠があまりありませんが、80数名の部員がいます。部員がおおおくてみなさん取材に来られたらびっくりされると思います。野球部と兼用で、マウンドがあるのでよく倒れます。そこでケガがあるとすぐにマウンドを削るんですがケガがなくて。あと私が野球部の顧問も兼ねているので。
 そういう土のグラウンドで野球部と兼用なんですが、野球とはシーズンが違うので平和にグランドを使っているという感じです。
 Aチームは4時半、Bチームは6時からという感じで、時間をずらさないと半面しか使えないので。最悪の環境だとは思いますが、大学スポーツでそういう学業を優先しながら選手も取れない。そのなかで少ない時間でお金をかけず全国で勝負できる。いま33年目なんですが、そういうことが分かってきた。今わかったわけではないんですが、この10年くらいはそういう方向で指導してます。
 今回1回戦を終わって流通経済大学のグランドを貸してもらったり、トレーナーの方にケアしてもらったり。もうぜんぜん違う。トレーナーが言うには1回戦終わったあとに選手ガタガタですね、という話だったんですが、明治大学との前は1回戦よりもよかったです。90分間交代させる必要がないくらいでした。
 あとは人工芝を使わせてもらって、相当ひざや腰に負担が来ると。流通経済大学さんは50人くらいけが人がいるといいます。
 サッカー部はこれくらい結果を出しているので、人工芝にしてくださいと、話しているんですが、日本一の土のグランドにしようかと。人工芝はどうしてもリスクがあるというい ことで。
 まあ、一度はインカレで決勝に出たい。ファイナリストというのが我々の目標で、総理大臣杯は去年福岡とやって負けたんですが、ファイナリストになる絶好のチャンスを逃して少し寂しい気持ちです。だけどいろんなところから高知大でサッカーをやりたいという高校生が来ると思いますから。
 関東関西とは違う練習量、試合数。関東関西とは全く試合数が違う。高校生とやったり社会人とやってるんですが、一つ一つやる中で、弱いチームとやるときにベストを尽くしなさいと話している。そうすれば攻撃の形ができる。そういうハンディのあるチームとやってもそこそこできる。
 あとは周りに愛媛、徳島、岡山とJのチームも出来ている。そこともやらせてもらっています。今年は中四国サテライトリーグに参加させてもらっているんですが、単独チームで参加させてもらってます。
 11月のファジアーノのやったのは大きかった。プレスをかけに行くことをやったら向こうが慌ててきた。どこでボールを取れるのかというのは、チームの中で共通理解ができた。そういう試合はチームにとっていい、ほんとに全国で戦える大きなきっかけになりました。
◯西ヶ谷隆之監督(中京大学)
 寒い中お疲れ様でした。今日を振り返って一番厳しいゲームになるのは予想していました。そのなかで先制されながら自分たちのリズムを失わず、ファイナルに行けたのが一番の収穫でした。風が強く前半我慢だと思っていましたが、ひとつ取られてしまった。ただふたつ取られなかったのが自信になって後半2つ取ってくれました。
決勝に関しては関大さんをみてないのですが、分析して中京大らしいサッカーをしたいと思います。

◯中田智久選手(中京大学・同点ゴール)
 今日の試合はやりにくかったですが一人ひとりで粘り強い守備ができました。失点はしましたが後半追い風で逆転できてよかったです。
 自分のゴールは嬉しかったです。決勝はこのチームで戦えるのが最後なのでチームで頑張りたいです。

Q(西ヶ谷監督に):チームとしてよくなったところは?
A:選手自身でゲームをコントロールできたところ。いろいろなものが大人のサッカーになってきた。なおかつ自分たちのストロングポイントを出してゲームができたと思います。

Q(西ヶ谷監督に):相手が後半蹴ってきたが。
A:もう少し蹴らせないようにしたかったんですが、中村亮太のところは一発があるので投入しました。ただ、彼自身のコンディションは良くなくて、それは彼の問題ではなく(起用した)自分の問題です。
 ディフェンスラインは上げたかったが、蹴られたのでそうできなかった。ただ高さはうちはあったので、逆に言うと次の対応が出来ていたのでなんとか逃げ切れました。

Q(西ヶ谷監督に):決勝までの9日感は?
A:まずは休ませます。連戦でやっていたので今日のメンバーでもけが人いますし、彼らが年をまたぐことは余り無いと思いますが、サッカーしながらまたいい形できたいと思います。


Q(西ヶ谷監督に):高知大について。
A:(高知の)左側のサイドバックがスピードあったので、縦に仕掛けてくる。そこで逆に盛り返したいというのがあった。1年間いろんな事をチャレンジしてきてて、それに対しては臨機応変い対応してくれていてそれは助かってます。いろんな事を対応させて変化させてやれています。


Q(西ヶ谷監督に):前半我慢というのは、風上になったからですか?
A:前半からあっちを取ったんですが、守備しながらアクションしたかった。それでも高知さんがすごくて、比較的リアクションになった。なおかつ奪ったボールが2トップに入らず、自分たちの時間をなかなか作れず、苦しみました。

Q(西ヶ谷監督に):今年は名古屋の当たり年なんですが?
Aはい、頑張ります。最後僕らが締めていいのかというのは役者的にどうなんですかね(笑)。

Q(西ヶ谷監督に):関西とは?
A:夏にやってやられていますが、(関西大学の)島岡とは同期なので。
 良い準備してやりたい。選手に期待してください。

若干の消化不良感 「バベル」

バベルとは旧約聖書に出てくる街の名前で、バベルの塔のバベルである。神の事を軽視して高い塔を立てた事に神が怒り、人間の言葉がバラバラになったと言うあれである。

そんな説話がモチーフになっているだけあり、物語は場所を変えて多重的に展開して行く。アメリカの穏やかな家庭の場面で始まる世界旅行は、深刻なモロッコでの諍い、そして、ギスギスした日本へと場面を移しつつ、まるでそうあるべきような必然性を持って一方向へと収束して行く。混乱である。タイトルの由来となったバベルの塔により、人類が被った、とされる直接的な被害がそこに重なる。世界各所でもたらされる混乱と、作中で描かれる混乱とは、一見して別の次元のものではあるのだが、それらの事件がそれぞれに関連性を持っているという点がこの映画の一番の見所である。

全体として面白い作りにはなっているのだが、しかし世界各地でもたらされた混乱は、それぞれに腑に落ちない形で決着していく。そういう点では、消化不良感の漂う結末だった。

キャストはブラッド・ピットやケイト・ブランシェットといった重鎮に加え、この映画への出演によりアカデミー助演女優賞にノミネートした菊地凛子といった面々が名前を連ねている。ちなみに菊地凛子は下着を脱いだ下半身をさらけ出すなど、体当たりの演技を見せるが、日本人のひとりとしては少々エキセントリックな日本人として見えてしまう。ちなみに菊地凛子が演じる綿谷千恵子は聾唖の女子高生という設定になっている。

監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演者 ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子

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◯神川明彦監督 明治大学
 予想していなかった結果に驚いています。リーグ戦が終わってからの1ヶ月間、よく準備してくれました。
 けが人は痛いですが、うちは男子部員が65人います。ベンチにいた選手が準備していたということ。ケガをした2人が不要だとは言わないですが、彼らがいない中でどれだけ明治のサッカーができるのかやってきた。
 今日は攻守の切り替えが素晴らしかった。メンタル的にフィットしないところはあったが、2トップは素晴らしかった。
(立ち上がりに点が取れなかったが)去年も0−0のPK戦からスタートしていますし、110分攻めても点が取れなかった。(去年を経験した)彼らがインカレは簡単ではないという事を知っている。焦りはなかったと思います。
 4点とった後(のハーフタイム)も三浦コーチが締めてくれた。個人プレーに気をつけようと話しました。調和のあるサッカーをしようと伝えました。
(吉田啓祐選手について)松岡祐介と吉田が頑張ってくれた。去年と同じ24番をインカレで付けさせた。今日の(吉田の)できは予想通りです。
(宮阪については)矢田旭の足がきていた。(宮阪)政樹も少し調子よくなかったのですが、豊嶋(剛平)がアンカーに入り、ガンガン行ってくれました。
 新潟さんは攻撃だとか一人ひとりの技術では引けを取らないと思います。ただ、球際に一日の長があったのかなと。バランスを崩しておられたので、ああなると山本(紘之)が行ける。攻撃的という点では、拓殖大学みたいな感じでした。
 今年の4年生は実に素晴らしい。ここでは言えないような部内のこともやってくれますし。8時半からミーティングすると伝えると、4年生だけで7時半からミーティングをはじめ、8時から全員のミーティングが始まり、そして8時半から監督のミーティングが始まる。そしてその後にマネージャーが編集したビデオを見て感動するという事をやってくれている。
 技術的には長友(佑都)がいた時のほうが高かったかもしれないが、サッカーは技術の総和ではないという事を4年生は分かっていると思います。
 今日の勝利は次の勝利を約束するものではないですし、全力で準備をしたい。それは4年生はよく分かっていると思う。
 我々がやるべき事ははっきりしている。明治としてのスピリッツを大事にする。
(去年の教訓について)守備が大事だということ。締まるのはしっかりと守備をしているから。締りのある明治を見せられたと思います。
 明治のスピリッツとは、チーム一丸となってやるということ。選手がひたむきにやるということ。明治は、失敗をした後、次に成長するために努力できると思っています。
◯野地照樹監督 高知大学
 後半が始まって向こうの足が止まった。コンディショニングの違いがあったと思います。水曜日から御殿場に入って良い調整ができたと思います。
 ぼくが心配していたのはPK戦。先制点がほしかったです。
(接触プレーの實藤は)首を痛めているようなので不安はあります。最初は少しヤバいと思いました。ムチ打ちになっている?とも思いました。彼のような選手がいるのといないのとではぜんぜん違う。アジア大会で金を取って帰ってきても天狗になる事もなかった。アジア大会はチームワークがよかったと話してましたし、今日もホワイトボードにメッセージを書いてくれていました。4年生は相当頑張って集中してやってくれたと思います。
 うちは一人に頼らず、それぞれが役割を果たすサッカーをやっています。
映画の舞台となる淡路島の稲田氏というのは実在した一族で、蜂須賀氏を支える筆頭家老として淡路島の洲本城を居城としていた。その稲田氏が明治維新後の処遇に不満を持ち、徳島藩からの独立を訴え騒動が起きる。これが庚午事変と呼ばれるもので、この混乱を責められ、北海道に移住する事となる。北海道では開墾した土地を貰い受ける事ができる、との約束だったのだが、時は明治維新の混乱期である。というのが大まかなバックグラウンドである。

映画の展開自体は面白いのだが、プロットに少々無理があり見ていて首をかしげる場面がいくつか出て来る。
例えば「ええじゃないか(詳しくは書きませんが)」とか「なぜ厳冬期に?」とか「主人公を助けるアイヌとの関わり」だとか。ラストシーンの豊川悦司はカッコよすぎる。が、うまく彼のその後を吸収し切れておらず、最終的に置いて行かれてしまうのが残念なところ。
同じタイミングでバベルを見ていた事もあり、銃撃された人の描き方にも違和感が残ってしまった。

細部において気になる点が頻出するのだが、その一方でどす黒いまでの人間心理をとことんまで表現しようとする行定勲監督の意地はよく伝わって来た。

もう少し、細部を作りこんでくれればなぁ、という作品である。

監督 行定勲
出演者 吉永小百合
渡辺謙
豊川悦司
柳葉敏郎
石原さとみ
ほか

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だいたい、全部。

◯ランコ・ポポヴィッチ
こんにちは。私のことを信じていただき、オファーしてくれたことに感謝します。日本にまたこれたことが嬉しいです。
今まで日本で働いてきたことがありがたいと感じていました。ここでの生活も、仕事も楽しみたいと思います。
通常こういうところでは目標を発表すると思いますが、私はそういう事はしたくないです。それは私のスタイルでもありますし、とにかく仕事で伝えていきたいと思います。言葉ではなく、行動で示したい。自分が持つエネルギーのすべてをぶつけたいと思います。プロジェクトが成功するためにすべてをぶつけたい。
ゼルビアとフロントが一体となってやること。私たちが持っている計画を実行する事に全力を尽くしたい。
我慢も必要だとは思いますが、結果が出なければ唐井さんに責任を取ってもらいたいと思います(笑)。
オファーしていただいたことを光栄に思います。
みなさんにお願いしたいのは、批判してくれてもいいんですが、私たちはその批判を最小限にしたいと思います。

悲しい兄弟愛 「手紙」

弟の学費を稼ぐために、犯罪を犯してしまった兄と、そんな兄を持つ弟とをめぐる兄弟愛を描いた映画。非常に重たい映画である。

ここから先は、ネタバレです。

弟は、進学の夢を諦め、お笑いの世界へ。しかし名前が売れれば売れるほどに兄の経歴が重くのしかかる。そして自らのために犯罪を犯した兄を、自らの将来のために切り捨てる。その決断を手紙で兄に伝えた時、兄は深く絶望する。

しかしその一方で、兄に対し慰問の形で「だけど兄だから」との思いを伝える。作品終盤の弟の苦悩と、兄を前にした慰問の舞台は涙なしには見られないものである。

犯罪と、血のつながりとを天秤にかけざるをえない人の現実が魂に響く作品でした。

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各種ストレージのGBあたりの単価

各種ストレージのGBあたりの単価を計算してみた。

対象としたのは、価格コムにおける日立GST社製2.5インチHDDの500GBと750GBのモデルの最安値の場合と、アマゾンにおける太陽誘電社製DVD-R各種である。

HDD 500GB 4119円、つまり1GBあたり8.24円(アマゾンの場合12.0円)
HDD 750GB 6980円、つまり1GBあたり9.31円(アマゾンの場合11.1円)
DVD-R for DATA 50枚入り 1390円、つまり1GBあたり5.91円
DVD-R for DATA 片面2層 50枚入り 4293円、つまり1GBあたり10.1円
DVD-R for VIDEO 50枚入り 1438円、つまり1GBあたり、6.12円

最安値は、DVD-R for Dataの1GBあたり5.91円という数字。これに対し、HDDも2.5インチ500GBモデルが、1GBあたり8.24円と健闘しているのが目立つ。ちなみに焼いたDVD-Rは経年劣化するため、早かれ遅かれいつかそのデータは消える運命にある。もちろんそれはHDDも同じなのだが、まだHDDの方がデータの保護に関してはやりようがある事を考えると、HDDに移行してもいいような気がしている。

そもそもいちいちDVDに焼く手間を考えると、HDDで保存する方が楽ではある。また、焼いたデータをどのように運用するのかということも、どちらのメディアで保存するのかを検討する際の評価項目の上位に入れておくべきだろう。データを焼いたDVDをケースに入れて持ち出すのか、それともHDDに移して持ち運ぶのか。運用上、有利だと思われる方法をとればいい。個人的にはDVDに焼くのが面倒だから、HDDで保存する方法を採用したいところである。

それにしても改めて計算してみて、1GBあたりの単価が10円を切る値段にまで下がっている事実は驚きである。

日立グローバルストレージテクノロジーズ HTS545050B9A300 (500GB 9.5mm) ¥4,119
アマゾンの場合、¥ 5,980
すなわち、1GBあたり8.24円(アマゾンの場合1GBあたり12.0円)

日立グローバルストレージテクノロジーズ HTS547575A9E384 [750GB 9.5mm] ¥6,980
アマゾンの場合、¥ 8,335
すなわち、1GBあたり9.31円(アマゾンの場合1GBあたり11.1円)

太陽誘電製 That's DVD-Rデータ用 16倍速4.7GB 盤面アクアホワイト ワイドプリンタブル スピンドルケース50枚入 DR-47AWWY50BN ¥ 1,390
すなわち、1ケースあたり235GBの容量がある。
つまり1GB当たり5.91円

太陽誘電製 That's DVD-Rデータ用 8倍速8.5GB 片面2層ワイドプリンタブル スピンドルケース50枚入 DR-85WWY50BA ¥ 4,293
すなわち、1ケースあたり425GBの容量。
つまり1GBあたり10.1円


ちなみに日本独自の著作権保護企画であるCPRMに対応したDVD−R for Videoの場合

太陽誘電製 That's DVD-Rビデオ用 CPRM対応16倍速120分4.7GB ノンプリンタブル マットシルバー 手書き専用レーベル スピンドルケース50枚入 DR-C12STY50BN ¥ 1,438
つまり、1ケースあたり235GBの容量になるので
1GBあたり、6.12円である















レポートを書く予定のもの一覧

レポートを書いていない映画
「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」
「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」

レポートを書いていない本
「ゴールは偶然の産物ではない~FCバルセロナ流世界最強マネジメント~ 」
「カラフル」
「リクルートのDNA」
「ルワンダ中央銀行総裁日記」
「田宮模型の仕事」
「天才 勝新太郎」
「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」
「思考の整理学」
「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」
食べる事、生きること、そして、そのために命を奪う、という事を豚を育てるという過程を通じて描いた映画。
妻夫木聡演じる新任教師、星が担任となる6年2組に子豚を連れて行く場面から映画はスタートする。終着地点での「食べる」という結末の重さはもちろんだが、そもそも豚を育てるという事の大変さは映画の前半部分で、保護者が学校に乗り込んでくる場面を見てもよくわかる。ただ、それでも豚を育て、その過程で体験する難しさや楽しさを描きつつ豚に感情を移入させていく子供たちは、卒業までの1年間で多くのことを学び、考えるのである。

クライマックスは、6年2組に残された時間が少なくなる中、クラスが大きな決断を迫られる場面であろう。クラスの意見は別れ、ディベートが始まる。「殺す必要はないのではないか」という子供がいる一方で、「食べるのと殺すのとでは意味が違う」と反論する子供もいる。そしてそうした議論を通じ、画面のこちら側にいる観客に対し、人間が生きるためには命が失われているのだという事実。人は食べなければ生きていけないのだという現実を伝えているのである。

映画の中に、残酷な場面は一切使われておらず、学校で教材として使うのもありだろうと思う。食べる、生きるという事を深く考えるという目的の為に、ぜひ家族ででも見てほしい映画である。

なお、原作は黒田恭史氏の『豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日』(ミネルヴァ書房 2003年)。

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アフリカの小国、ルワンダで1990年代に起きた民族対立が原因の虐殺事件を描いた映画。虐殺事件の大雑把な構図は、多数派のフツ族が、少数派のツチ族を襲うというもの。ただしそこに至る過程は複雑な軌跡を描いており、簡単に説明するのは難しい。ベルギーによる植民地支配と、その統治方法によって民族の分断が固定化されていくという構図が背景にあるのは間違いはないのだが。

映画は虐殺を描くこともあって緊迫感とともに進行。主人公は自身が勤めるホテルに1200人以上の被害者をかくまった実在のホテルマン「ポール・ルセサバギナ(Paul Rusesabagina)」で、彼が経験したできことが作中で描かれていく。民族が違うだけという、あまりに理不尽な理由で人が殺されていく場面が描かれ、やりきれない思いの残る映画である。時に人は熱狂の渦の中で鬼になれるのだという事を如実に示している。

公開直後から高い評価を受けていた作品ではあったが、交渉がまとまらず当初日本での劇場公開は予定されていなかった。しかしこの映画を見たい、公開すべきだとの熱意を持った評論家やファンの署名活動が配給会社を動かし、06年から日本国内で公開されるに至っている。

なお、年代は多少ずれるが1965年にルワンダの中央銀行に総裁として就任し、ルワンダ経済を成長させた服部正也氏が残した「ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)」という書籍では、この虐殺事件の背景となる章が追加されており、ルワンダ紛争理解の一助となるものと思われる。

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導入部でのユリ役を演じる永作博美の意外な登場シーンでスクリーンへと引きこむのだが、そこからの展開は割とのんびり。本当は回収したかった伏線なのだろう。強いて言うならばユリと松山ケンイチが演じるみるめの邂逅の役割を果たしたという事になるのだろうけれども。

映画自体としてはあまりない形の恋愛を、割と淡々と描いていく。タイトルが与えるインパクトとは裏腹なスローテンポの作品である。別に人のセックスを比較するような場面は出てはこない。まあ、面白いかな。素晴らしく面白いというレベルではないけれども。

気になったのが、作中に使われている挿入歌の武田カオリ with HAKASE-SUNが歌うANGEL。割とあと引く曲だと思う。


原作は、山崎ナオコーラの同名の小説である。
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 原作は横山秀夫さんの同名の小説クライマーズ・ハイなのだが、これを映像化した作品が二バージョン作られている。NHKがTVドラマとして製作した佐藤浩市主演のものと、映画として製作された堤真一主演版の2作品である。

 群馬の地方紙に務める悠木和雅という新聞記者をめぐり物語は進行していくが、佐藤の演じる悠木については若干インパクトに欠くきらいがある。ただし原作を読んだ人間としてはこちらの方がしっくり来るキャスティングだと感じた。
 対する堤真一バージョンは、力強さを感じるキャラクターとなっている。演者が違うのだから、主人公のイメージが変わるのは当然ではあるのだが、両方を見比べて、原作のイメージを抜きに映画を見た際には、堤真一バージョンの方がしっくり来るような印象を持った。

 劇中の進行は、佐藤浩市版が小説に沿った展開となっており150分(レンタルの場合前後編に別れておりそれぞれ75分ずつ)。原作の分量が分量なだけにこれは仕方ないか。一方、堤真一バージョンの方は142分となっており、佐藤浩市版との比較で8分ほど短くはなっている。ただし通常の映画と比べるとそれでも長い。堤真一バージョンは原作をうまくアレンジしているのが印象的で、長い原作をうまくまとめている。

 内容については、世界最大の航空機事故をめぐる1週間ほどの濃密な地方紙内部のやりとりを表現していて非常に面白い。原作と映像2作品とを見て心に残ったのは、少女を抱き抱える自衛官を描いた現場雑感のくだりと、特ダネを打つかどうかで緊迫する社内の描写の部分。ここは本当にスリリングだった。

 思えばあの事件は25年も前の話である。当時4名いた生存者の一人の年齢が同じだった事もあり、強烈に心に残る事件だった。ちなみに当時の事故機の様子を克明に表したレポートが残されており、中途半端な覚悟で読むとトラウマになるレベルの文章になっていると聞く。この作品はその事件を伝える側から見た際の葛藤を描いており、そういう点でも興味深い映像作品となっている。両作品とも面白かったです。

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4月28日に北京で行われたACLの北京vs川崎戦を取材するため、訪中しました。
宿泊地は北京市内のホテルで、ネットはgmailを含めて接続できていました。しかし、聞いていたとおり、一部の情報にはアクセス出来ないという実態を確認できました。動画は北京でのホテルでの接続実験です。



ちなみに中国国内ではgoogleには接続できますし、中国にとって都合のいい言葉での検索は問題ありません。
ただし中国共産党政府にとってマイナスになる言葉の場合、検索結果が出ないとかのレベルではなく、googleへのアクセスが完全にシャットアウトされてしまいます。
この動画では「天安門事件」という単語で検索すると、即座にgoogleへのアクセスが拒否されていることがわかると思います。
ちなみにgoogleで中国共産党政府にとってのNGワードを検索すると、しばらくgoogle本体へのアクセスが制限されます。その他のサイトへのアクセスが可能な状態なため、ネット全体がダウンしたわけではないということもこの動画では検証しています。



ということで中国共産党政府は必死で言論統制しようとしているんですが、どこまでその穴をふさぐことができるんでしょうかね。
 舞台は1928年のロサンジェルス。突如として失踪した幼い息子を探す母親の物語。と聞くと単純な親子愛映画なのかと思われるかもしれないが、実際はもうちょっと深い。当時のロサンジェルス市警の腐りきった体質がこの事件の根底にある。

 権力者を持つものの精神が腐ったときに、どれだけ恐ろしい結果になるのかは、有史以来幾多の権力者が実証してきたものだが、この映画はその怖さを改めて示してくれる。

 ほんとにひどい話なのだが、関係者がそれ相応の報いを受けているのが最低限の救いであろう。ちなみに実話が題材になっているとのことだ。

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