川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。


 ホームのC大阪をシュート2本に抑え込む一方、9本のシュートで2点を積み重ねた前半の川崎の戦いを見て「これはC大阪の不敗記録は止まる」と確信する自分がいた。理由は簡単。川崎は前節の鹿島戦で同じような展開の試合を演じていたからである。

 鹿島戦での川崎は、同じく前半で2点を先行し、楽勝ムードでハーフタイムを迎えていた。しかし後半に入ると鹿島に試合をコントロールされ、ピンチに陥ってしまう。1週間もたたず、同じような試合展開をするわけにはいかないし、そうはならないだろうと考えていた。

 しかし、事はそう簡単ではなかった。「負け犬になってしまう」との激しい言葉が記されたクルピ監督のハーフタイムコメントが配られ、ロッカールームでの厳しい叱責を思い浮かべていたまさにそのタイミングでC大阪の1点目が決まる。52分のCKからの清武弘嗣のヘディングシュートの場面である。

「必ず反撃しよう! リスクを負っても前からいってフィニッシュすること」との言葉を体現するかのように後半のC大阪は前からの積極的なプレスを連続させていた。

 この時間帯の川崎は、完全にC大阪に試合を支配され、何もできずにいた。そんな戦いを見ていて感じたのは、しっかりとC大阪の攻撃を受け止めようとする川崎の生真面目さだった。伏線は鹿島戦にあった。

 前述のとおり鹿島戦では後半に主導権を握られてしまっていた。その戦いぶりを反省して、例えば柴崎晃誠は「ラインを下げ過ぎても厳しくなる」との言葉を残しているし、それはピッチ上の選手たちの共通認識となっていた。だから、引いて守りに入るのは危険だとの考えがあったのだろう。

 自分たちのペースを崩さずに試合を続けた結果、ホームで負けられないとの強い気持ちを持ったC大阪の猛攻にさらされ、54分にはホドリゴ・ピンパォンに同点ゴールを決められてしまう。虎の子の2点のリードは、後半が始まって10分もしないうちに無効化され、さらに窮地に立たされる事となる。そもそも2−0の試合が2−2になると、そのまま逆転される展開は珍しくない。ましてや、ここはC大阪のホームである。異様な雰囲気がスタジアムを包み込み始める。

 そうした状況があった事を考えると、もしかしたら負けなかった事を前向きに捉えてもいいのかもしれないと、そう考えたくもなる展開になっていた。少なくとも川崎にとっては負けてもおかしくはない内容だったのである。

 だからこそ、72分の小林悠の勝ち越し弾の後、耐え続けてきた守備陣はピッチ中央に集まり、そして意見を交わし合うのである。それは前節の鹿島戦での小林悠の得点後にも見られていた光景だった。

 2節続けて行われたピッチ上での話し合いの主たるテーマは、守勢に回った試合展開に対する分析と、それをどう跳ね返すのか、というものだった。

 前節の鹿島戦では「後半はセカンドボールを拾えなくなっていた」との現実があり「ベンチも守備ラインを上げろと言っていたので、その修正をやろう」(共に小宮山尊信)との結論に達していた。そしてその結果として、1失点しながらも逃げ切りに成功していた。そうした前例を受けた上で、このC大阪戦でもベンチからは「押し上げて、MFをコンパクトにしよう」との指示が伝えられ、それを選手たちも実行する事となる。

 しかし川崎は結果的に3失点目を喫することとなる。ゲームコントロールに失敗した川崎は、勝ち点を2つ失う事となった。

 試合後の川崎の選手たちは、敗戦時のような重さを抱えていた。口数の少ない選手が多い中、例えば柴崎晃誠は「後半、疲れてる時間帯に前半のようなサッカーは無理だと思う。FWも下げてブロックを作ってやればいいと思う」と話し、ある程度ひきこもるのは仕方ないとの認識を示している。筆者もその考えに賛同するのだが、しかしその戦いは見栄えはしない。理想と現実との葛藤がそこに生じる事となる。川崎が目指す着地点はどこになるのか。今の不安定な戦いをどのように収束させていくのか。チームづくりは現在進行形で進んでいる。

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