J1第10節：柏vs浦和「柏が磐石な戦いで浦和に快勝」

会見の冒頭から、レイソルの勝利について「真っ当な理由で勝ったと思います」と脱帽したペトロビッチ監督は、「恥ずかしい試合を見せてしまった」と嘆きつつ「本当に申し訳ないです」と恐縮し続けて「今回一度だけコメントを控えさせていただきたいと思います。今までもそうですが、普段はどんな質問でも応える準備があります。ですから質問がある方は練習場に来て下さい」と一切の質問を拒否して会見場を後にした。



そこまでの屈辱感を浦和というチームに与えた柏の戦いは、確かに磐石なものだった。開始1分の先制点による部分は大きいのだろうが、それによって前に掛かってくる浦和の攻撃についてネルシーニョ監督は「浦和は攻めるときに柏木が上がり、ボランチの山田が一人で守る事になる。だから山田の回りにスペースができる。サイドバックと2列目の連携をブロックしてニュートラルにすれば、うちのレアンドロ、大津、北嶋に効果的に入れてカウンターになる。そういう話をして効果的に練習できていた」と話している。つまり事前のスカウティングと、それに基づく練習のコーディネイト、そして、それが試合に効果的に出せたという事になる。

振り返ると、ネルシーニョ監督は会見の冒頭に「今日のレイソルは戦術をしっかりと理解して90分継続させて遂行させてというゲームができていました。分析してプランニングしてその通りの試合ができました」と話している。まさにしてやったりの試合だったといえる。

昨季のJ2をほぼ独走状態で突破した柏にとってJ1でのここまでの成果は、十分に自信につながるものである。この日2ゴールの北嶋秀朗は「開幕してからも手応えはありましたが、レッズに勝てたのは自信になると思います」と話している。ただ、まだまだ柏というチームの力については懐疑的な視点もあるだろう。だからこそ、ここまでの戦績がフロックではないことを、彼ら自身これからの戦いの中で証明していくことになる。