5月27日の日本時間2時22分にAFCのプレスオフィサーからAFC(アジアサッカー連盟)のモハメド・ビン・ハマム(Mohamed Bin Hammam)会長の名前で、メールが届いていた。こういう形式のものが届いた事自体が初めてで少々驚いたのだが、それくらいハマム氏周辺の状況は切迫しているのだろう。
内容は、6月1日に行われるFIFAの会長選を前にハマム氏に対する汚職疑惑が浮上してきたのはおかしい。また、ブラッター会長にも疑惑があるのだから彼も調べられるべきだ、というもの。
FIFAは6月1日に会長選出のための選挙を行う事になっているが、それをめぐり現職のブラッター会長と対立候補のAFC(アジアサッカー連盟)のモハメド・ビン・ハマム会長との場外での攻防が激しさを増しており、とくに対立候補であるハマム氏への風当たりが強いものとなっている。
2018年、2022年のワールドカップ招致運動はそれぞれロシアとカタールが選ばれているのだが、この結果を見るだけでも、こうした開催地招致運動に一定の胡散臭さがつきまとうのは避けられない状況であり、カタール出身のハマム氏が会長選とワールドカップ招致運動とを関連付けられてしまうのはある程度仕方のないこのなのかもしれない。また、逆に言うとブラッター会長にとって産油国の会長選対立候補の存在が大きな驚異であるとの認識を持っている事を伺わせる。そしてだからこそ、このタイミングで対立候補を狙い撃ちした疑惑が持ち上がってきた、のだとも言えそうである。会長の権限を最大限に利用して。
ちなみにブラッター会長は、先日、日本の復興支援に関する打ち合わせとして来日し被災地への支援策として、資金援助やアディダスとの連携の元、サッカー用品の配布事業を進めると発表している。そうした活動も、選挙活動の一環であると考えるべきであろう。ブラッター会長、使えるものは何でも使うという事だろうし、逆に言うとこのタイミングでブラッター会長を呼び寄せ、支援策を引き出したJFAの手腕も褒めるべきであろう。
参考までに昨夜のメールにはハマム氏の次のようなコメントが添えられており、
「この日曜日に私を対象として行われる倫理委員会での受け答えに対しては何も恐れていません。委員会が正当なプロセスを取る限り、私は何も恐れません」
それに続いて、メールの文面の中に「FIFAのルールや規則の認識では、モハメド・ビン・ハマムは全ての法的権利を有している」と記されている。倫理委員会での決定如何ではハマム氏サイドがとことんまでやりあう姿勢と、そうせざるを得ない覚悟をある程度見せている事が分かる。そしてそうした文言を入れることで、倫理委員会をけん制しているという事なのだろう。
FIFAという組織は、ホント、良くわからんですなぁ。
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