まずよかったのが、そのプロット。主人公となるクゥと康一、そして康一の家族との交流を軸に物語は進行する。その過程は飽くまでも平和的で、構築されていくクゥと康一の家族との絆は、それがずっと続いて行ってほしいとの願望を生み出させるモノだった。
そうしたきれいな関係と同時進行させるように、子供たちの間に確実に存在するいじめの問題をクローズアップさせ、さらに群衆による数の暴力をも描き出していくのは驚異的な表現力と言わざるをえない。
真正面から向き合うにはあまりに手垢が付き過ぎた友情、家族愛、そして命の大事さというテーマを、河童を登場させるというありえない舞台設定により、すんなりと伝える良作だった。
キネマ旬報の2007年の年間5位にランクしたその実力は本物である。日常に埋没することなどありえない子供から、日常に疲れた果てた大人まで、幅広い層に親しまれるであろう映画である。ぜひ、一度見てほしい映画である。
なお、監督の原恵一氏は、アニメ映画として名作として知られる『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
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