ファールの多さは、技術と比例しているところもある。例えばトラップがずれればDFは狙いやすくなる。相手に「取れる」と思わせるトラップは、結局きわどいタックルを誘発し、それがファールにつながりやすくなる。
また、技術のちょっとしたズレによるボール保持率の低下は、攻撃の単発化につながり、それが長い距離のドリブル突破になってしまう。ドリブルは、それを許してしまうと決定的な場面を作られる事にもなるため、守備陣からのチャレンジを受けやすくなる。
イングランド人のクート・デービッド主審は確かに多くのファールを認定し、イエローカード11枚。レッドカード1枚と少しばかり目立ってしまうところはあった。ただ、この内容のサッカーでは少なくともファールはファールであり、ある程度必然的なジャッジだったのかなという印象を持った。警告に値するかどうかは別として、そうやってファールが増え、試合が止まる時間が増えることで、お互いがイライラを募らせるのは仕方ないところではある。そんな中、気になったのが横浜FCの選手の態度だった。
デービッド主審はこの試合で何度か、ラフプレー直後の選手を呼び出し、面と向かって注意するというやり方を見せていた。多少なりとも感情的になった選手たちを落ち着かせる意味を込めていたはずだが、横浜FCの選手はそれを素直に受け取れなかった。
主審がプレーを切ってコミュニケーションを取ろうとしているのだから、自分を落ち着かせる意味でその呼び出しに従えばいいのだが、そうして自らを呼ぶ主審の態度に反発して、さらにイライラする。選手を呼び出した主審はその必要があると考えて呼び出しているのだから、いつまでもプレーを再開できない。その結果、余計にプレーが止まり、スタジアムもイライラを募らせてしまった。
試合後に、チームが見せていた”イライラ”について聞かれた寺田紳一は「ぼくも含めて反省するところ。キャプテンなので、荒れてきた時に落ち着かせた方がいいとは後で言われました」と反省。また山口素弘監督はイライラを見せていた選手をかばうかのように「前節の負けが悔しかったので、ある意味焚き付けすぎたかなと。それを考えながら反省します」と述べている。
イライラのきっかけが主審なのか、プレー内容なのかは深くは詮索しないが、試合のテンションがおかしくなっていただけに、どこかで誰かが落ち着かせることの必要性を感じた試合だった。
ちなみに試合は熊本の齊藤和樹が35分に決めたゴールを守りきり、敵地で横浜FCを1-0で下している。
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