フットボールde国歌大合唱!
いとう やまね (著)
この本を読むまでもなく、国歌にはそれぞれの国のアイデンティティが詰まっていると推定できますが、この本はそれを証明しています。それぞれの国にまつわる国歌成立までのエピソードが、わかりやすい文章で完結にまとめられた一冊となっています。
作者のいとうやまねさんは、今年開催されるブラジルワールドカップに向けてこの本を推奨していますが、その考えには賛同できます。
人間誰しも、自国の事に少しでも関心を持ち、知識を持つ外国人を、疎んじる人は居ません。やはり自国の文化や歴史を知っている人に対して好意を持つでしょうし、それをきっかけとした交流も広がるはず。そういう意味でこの本は、ブラジルの地で、日本代表と対戦する各国のサポーターはもちろん、世界中のサッカーファミリーと打ち解けるための最高のきっかけを提供してくれるツールになると思われます。
コートジボワールのサポーターに対しては「エレファンツ母親友好協会の面々はブラジルを訪れているのか?」とでも話題を切り出すと面白いでしょう。もしかしたらエレファンツ母親友好協会という団体としてはブラジルに来ていないとしても、関係者と知り合えるかもしれない。そうやって友達が増えると、旅はとたんに面白くなるものです。
ギリシャに関しては「負けても蜘蛛に変えないでね」とでも言えば、そこそこに教養のあるギリシャ人であればアテナとアラクネーの刺繍対決の話だと気がつくはずです。そうやって会話のきっかけを掴んでおけば、古の歴史を持つ国同士話題の共通項には事欠かないのではないでしょうか。たとえば2020年の五輪の話をしてもいいでしょうし、神話の話を振っても面白いと思います。
コロンビアの名物サポーターの名前が「エル・コレ」だとわかっていれば、「彼は今大会も来ているの?」というような話題で話を切り出すことができるでしょう。またコロンビアは、美女大国としても知られており、サポーターと仲良くなることのメリットは(男性的には)高いですよね。
ワールドカップを現地観戦する際に、絶対にやって欲しいのは世界中のサポーターとの交流です。日本人サポーターの中に紛れ、日本語しか使わないのは、ワールドカップに参戦する意義の半分以上を失ったも同然だと思います。
世界に出て戦う選手たちと同様、サポーターにもコミュニケーションは大事。そのために、最低限の知識と語学力は身に付けておきたいものです。ただ、語学力は今更ながら簡単ではないという話でもありますし、であるならば尚更のこと知識だけでも身に付けてはどうでしょうか。
世界の人と仲良くなるために、一夜漬けする。実に日本人ぽい発想ですが、ぼくはそういうモノの考え方もありなんじゃないかと思っています。興味がある方は、ぜひ手にとってみてください。国歌にまつわる奥深い話が満載で、楽しめる一冊となっています。
ちなみに下にあるのが、本書と連動して、各国の国歌を紹介したサイトになります。合わせて見てみてください。
サッカー×国歌
http://nagaguturisu.com/national_anthem/
初めての方も、何度かお越しいただいている方も「ふっとぼうず」を訪れていただいてありがとうございます。もしこのブログを気に入ってもらえましたらRSSフィーダの登録をお願いします。簡単に更新情報を受け取れるようになります。また江藤高志のツイッターアカウントもありますので、合わせて登録していただければと思います。
0 コメント:
コメントを投稿