川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。

宮崎牛の危機

川崎市内に北京という焼肉屋がある。何度かチーム関係者に連れていってもらったことがあるのだが、ぶっきらぼうな接客や飾りっけのない内装からは想像できないほどの肉を出してくれる名店である。うますぎて思わず腹一杯に食べてしまうのだが、食後に問題がある。肉がこってりしており、1ヶ月くらいは肉はもういいや、という気持ちになるのである。もちろんそうした思いは時間が解決してくれるので、懲りずにまた行きたくなるのだが。

ガッツリと肉を食べるとどれだけ高級な肉であろうとも脂に当たるのだとの認識を持ったのはこの店の味を覚えたからである。そしてだからこそ、驚かされた。宮崎牛のうまさにである。

川崎は毎年宮崎でシーズン前のキャンプを行っている。その取材のため毎年宮崎に短期間出張するのだが、そこで一軒の焼肉屋に出会った。ハナが利き、舌が肥えた新聞記者が彼らの足で探し当てたその店の肉は驚きのレベルだった。それは伽耶という焼肉屋だった。

焼肉屋の王道というと、カルビかロースになるのだろうか。だから初めて訪れたときもカルビの注文はあるものと思っていた。ところがその新聞記者は「カルビは濃いからロースで十分」と話すのである。その真意は肉がくればわかるのだろう思いつつ、注文から数分後。我々の目の前に供された肉は見た目にも極上な肉に思えた。

焼きすぎに注意しつつ、食すと、これが柔らかくロースながらも濃厚な肉汁が滲み出てくる素晴らしい肉だった。某有名チェーン店のエース級店舗ではおそらく倍以上の値段をとるのだろうと思われる肉が、リーズナブルに供されるのである。その味と値段のアンバランスに興奮しつつ、次から次へと注文し、ハシを進めた。

場に居合わせた全員が満腹感を少々オーバーするくらいにまで食べて晩餐は終了するのだが、驚くべきは食後の胃袋の軽さである。翌日でもすぐに再訪したいと思えるのである。前述の北京では、満腹にまで食すると、1ヶ月の強制的な肉絶ち感に襲われるのとは大違いなのである。

お店の雰囲気も、店員さんの控えめさも、そして味と値段を勘案したコストパフォーマンスでもこれまでの人生の中で訪れてきた全ての焼肉店に勝る味を実現していたのは、もちろんお店の頑張りがあって、そして彼らの誇りを満たす宮崎牛と言うブランド牛があったからだろうと勝手に思っている。

だからこそ、今回の口蹄疫の被害が心配でならない。畜産農家の苦労はもちろんのこと、その牛肉を提供する末端の店舗への影響が心配でならない。

こんな事を考えるのは、もしかしたら変な感情なのかもしれない。ただ、うまいものを納得の価格で食べさせてくれる店舗に対し、感謝の気持ちを持つことに日本人の多くは同意してくれるはず。ぼくは食後に、お店の人に「ごちそうさま。ありがとう」と言えることが幸せだと思っている。当然の対価を支払っていてもだ。

そんな、食に対する謙虚な感謝の気持ちを持たせてくれた店舗が危機に陥っている。そして肉そのものが、危機に瀕している。それも人災とも言える不作為ででだ。もっと早くに対応できたはずじゃないのかと。だから今回の口蹄疫の問題に関しては、早くから気にかけていた。対応の権限を持つ赤松大臣の外遊という事実と、マスメディアの驚くべき無関心さと、現場での被害の拡大とのギャップとをリアルタイムで追いかけながら、この恐るべき状況はなんなのだろうかと思っていた。なんで政府は農家を見殺しにするのだろうかと、思っていた。政治家が、その職務を放棄している現状が許せなかった。

事ここに至り、ようやく政府は彼らの権限により、重い腰を上げた。しかし、そうした対応をこの段階でとるのであれば、もっと早くに同等の権限を行使して、封じ込めたはず。そうすれば、ここまで被害は広がらなかったのではないのかと、そう思う。いずれにしても宮崎のあの素晴らしい肉牛は甚大な被害を被った。そこからの再生の道のりは長く果てしないと思う。だからこそ、出来る事は手伝いたいと思うのである。

みなさんの力で、宮崎県の畜産農家を助けて下さい。助力の一翼を担って下さい。お願いします。

宮崎県口蹄疫被害義援金
http://volunteer.yahoo.co.jp/donation/detail/341007/index.html

野中広務の発言

野中広務氏がマスコミ対策として知識人に現金をばらまいていたと告白したことでマスメディアの主張の独立性が虚構だった可能性が露見してしまった。これは日本のジャーナリズムに対して大打撃になるだろう。

そもそも野中氏の告発の意図がわからない。自民党にダメージを与えたかったのか、民主党を牽制したかったのか。表向きは悪弊を断ち切りたかったとの事だが、どうなんだろうか。

いずれにせよ、野中氏の告白はメディアの独立性への不信感を増幅させることとなる。野中氏は小渕内閣時に務めていた官房長官在任中に官房機密費(内閣官房報償費)を「1カ月に5000万円から7000万円くらい使っていた」と述べており、その一部がジャーナリストにもわたっているとしている。

歴代の長官の中で野中氏だけが特異だとは考えにくいため、これは歴代の政権がやってきた可能性があるということ。そして現金を配るという方法でジャーナリストが特定の思想や政治団体、政党に買収されている可能性があるということが明らかになったわけだ。

ジャーナリストとは知的に誠実であってほしいと思うのだが、その一方でこうした自体が明るみになった事で、国民感覚でおかしいと思う方向に持論を展開させようとしたジャーナリストがマスメディアに出てきた場合、国民は眉唾の状態で、まさにショーとしてしか見ることができなくなってしまう。ジャーナリズムへの信頼性の崩壊が起きようしているのである。

長らく日本では「テレビがああ言っているんだから、間違いはないだろう」と考えられてきた。それがこれからは「テレビでああ言っているけど、わからないね」にシフトするスピードが加速するはずである。メディア・リテラシーの向上のスピードが上がるのは悪いことではないのだが。

そしてだからこそネットでの言論活動の信頼性が高まるはずである。例えば2chを利用する参加者は、そこに流れている情報が、2chという怪しげな媒体の上でのことであり、さらには多くの場合匿名でなされる議論である事を事前に承認している。そうした前提があって、特定の情報を流す際にはその情報源(ソース)が重視される。ネット上で使われる情報源はメディアの記事の場合もあれば、文献の場合もあり、時には直接的に電話した結果であったりする。

そうやって情報を提供し、正確な情報を伝えようとする市井の一国民のモチベーションは、知的に誠実でありたいとするその1点である。そしてそこが買収の可能性がある識者とは一線を画すところである。

レガシーメディアは今も象牙の塔の中にいて「俺たちが世論を作るんだ」と息巻いているのだろうが、時代は急速に変化している。レガシーメディアが力を持ち得たのは、情報を均一に日本全国に配布する能力を持っていたからである。そしてその能力はネット出現以前にはレガシーメディアが独占するものだった。しかしネット出現以降の現在においては、情報はレガシーメディアが独占するものではなくなってきている。野中氏の告白はその流れに拍車をかけるのではないかと思うのである。

機密費「月5000万円は使った」=評論家にも配る-野中元官房長官(時事通信) - Yahoo!ニュース

機密費「月5000万円は使った」=評論家にも配る-野中元官房長官
5月1日11時20分配信 時事通信
小渕内閣で官房長官を務めた自民党の野中広務元幹事長は1日、長官在任中に官房機密費(内閣官房報償費)を「1カ月に5000万円から7000万円くらい使っていた」と明かした。内訳は首相に1000万円、野党対策などに充てるため自民党の国対委員長や参院幹事長にそれぞれ500万円程度を渡していたとも説明した。時事通信の取材に答えた。
野中氏は1998年から99年にかけて官房長官を務めたが、その間、政府・与党幹部や北朝鮮を訪問する野党議員から無心されて配り、評論家に配ったこともあったと暴露した。ただ、ジャーナリストの田原総一朗氏には、機密費を持って行ったものの受け取りを拒否されたという。
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