平成24年度 第61回全日本大学サッカー選手権大会1回戦は、12月19日に江戸陸で行われた2試合を取材。
第1試合の中央大学対新潟医療福祉大学は意外な展開となる。
前半31分に新潟医療福祉大の#14鈴木裕明が#9中田大貴からのパスを受け先制。さらに34分には、FKを#9中田大貴が直接決め新潟医療福祉大が前半を2点リードで折り返す。この2点差が中央大学にとってむずかしいものになりそうだと考えたのは、前半の中央大学の前線の守備意識の低さにあった。
中央大学の白須真介監督は「準備はしていましたが、どこかしら歪みがありました」と前半を総括。また攻撃後の守備への切り替えの遅さについては「攻めきれずにじれている部分だと思います」と述べていた。何人かの中央大学の選手に話を聞いたが、彼らが一貫して口にしていたのは、個の力では勝てていると感じたという点。それが油断に繋がったのだと述べることはなかったが、白須監督の「じれている」という受け止め方は、つまり実力が下の相手に対し攻めあぐねる自分たちへのいらだちが、切り替えの遅さとして出たのだろうと考えた。
結果的に試合は中央大学が後半に3点を畳み掛けて逆転するのだが、あの守備意識の低さのままでは勝ち上がるのは難しそうだという内容だった。
中央大学は、大宮に内定している#2今井智基の攻撃力が素晴らしく、また清水に内定している#7六平(むさか)光成のパスセンスも見事。川崎に内定の#9安柄俊(あん・びょんじゅん)の逆転ゴールは本人も自賛する力強いゴールだった。
新潟医療福祉大は、前線の#9中田大貴と#10比嘉諒人が面白い。また、ボランチの#7江原拓也のパスセンスもなかなかのものがあった。
第2試合の仙台大学対阪南大学は、前半に2点を奪った阪南大が無難に試合を終えたという内容。組織としてまとまりのある戦いを見せており、率直に強さを感じられる試合内容だった。2点を追う仙台大が後半に入り、激しさを伴ったプレーを見せるがそれを阪南大が運動量を伴って攻守にハードワークしていなすというような展開となる。
仙台大は、仙台への加入が内定している#4蜂須賀孝治がケガのため途中出場を余儀なくされたのが響いた。その蜂須賀は「30分の出場でしたが、大学サッカーに食いはないです」と言い残し、会場を後にした。
一方の阪南大は名古屋入りが内定している#6本多勇喜を中心とした守備陣が安定感を見せていた。また2点目のCKを蹴った#14可児壮隆(かに まさたか)の高いテクニックが目立っていた。可児は「初戦ということでチーム的に緊張するかと思いましたが、自分としてもチームとしてもいつもどおりにプレーできました。早い時間に2点を取れたのは良かったです」と話しつつ、CKについては「あの1本か2本くらいはCKはよかったんですが、他はダメでした」と反省の弁を述べていた。
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ちなみに勝ち上がった中央大学と阪南大学の準々決勝は、22日に行われ阪南大学が大量7得点を積み重ねる一方、中央大学の反撃を1点に抑え勝利している。
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