日本の消費者はCPRMという日本独自のコピーコントロール技術によってTV番組を残す際の不便さを押し付けられている。CPRMは世界中見ても日本だけの制度で、デジタル放送がスタートしている他国では一切そのような仕組みはない。CPRMの仕組みによって、消費者はコストが上乗せされたDVDメディアを購入し、それを使ってTV番組を焼かざるをえない。消費者にとっては、無駄なコストである。
そもそも日本のTV放送はB-CASという特定の団体によってデジタル著作権管理 (DRM) をうけており、これ自体が世界的に見て特異な状況にある。世界との比較が好きで、世界からの外圧でいろいろな制度を変えてきた日本のメディア産業は、この件については世界との比較を一切行わない。ご都合主義ここに極まれり、である。
池田信夫氏が、CMカット機能のついたレコーダーを廃止するとの家電メーカーの姿勢について、メディア論と絡めて論じている。読んでいて、この国の伝統的な産業の古さを感じた。素晴らしい技術を持ちながら、国内での覇権争いに明け暮れて、最終的にいろいろな技術がグローバルな競争に敗れてきた過去を思うと、頭が痛くなる。いい加減、気がついてもいいはずなのだが、取れるところから取ろう、という考えはマーケティング的な本質論では間違いではないため、日本独自の制度はこれからも温存されるのだろう。事故が起きても甚大な被害が起きない制度なのだから仕方ない。
池田信夫 blog : 三菱電機とテレビ局の八百長 - ライブドアブログ: "デジタル技術のイノベーションによって古いビジネスが成り立たなくなる現象は、あらゆる産業で起こっている。音楽のネット配信によってCDが売れなくなったとき、日本の電機メーカーはレコード会社に遠慮してネット配信を制限し、アップルに敗れた。ユーザーを不便にして競争に勝つことはできない。変えなければならないのはDVRの仕様ではなく、民放のビジネスモデルである。"
そもそも論として、メディアの意味を消費者がもっと理解すべきなのだろうけど、なかなか浸透していかない。サッカー中継にはお金をかけず、大リーグ中継に大金を投入するNHKとか、日本の放送網を使って新しいブームをなんとか創りだそうとする民法の姿勢だったりは、メディア本来のあり方としては違うはずなのだがなぁ。
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