本日13時にはJ1昇格プレーオフの決勝がキックオフされるというのに、今更ながら先日行われた京都vs大分について振り返ってみたいと思います。
大分が6位の立場から3位の京都をうっちゃったこの一戦は、大分の1点目がポイントでした。
というのも京都には開始直後から複数のチャンスが訪れており、先制の機会を手にしていたからです。しかし、それらのチャンスを京都はものにできず。その一方で、大分がワンチャンスを見事にゴールに結びつけました。そんな1点目までの流れを振り返りたいと思います。
1 京都の試合開始直後に連続したチャンスの場面。これは2分のFK
2 チョンウヨンが蹴ったボールはゴール前へ
3 ニアサイドの京都の選手はフリーで、このボールを頭で合わせようとする
4 しかしミートできず
5 さらにファーサイドに詰めていた安藤淳が足で合わせようと試みるが、これも失敗
6 さらに3分には、大分のチェ・ジョンハンがバックパスをミス
7
8 これを工藤浩平(たぶん)がカットしてエリア内に持ち込みマイナスクロスを入れるという場面
9 さらに15分には、京都が右サイドを突破してクロスを上げるという場面があった
10 安藤淳が、チェ・ジョンハンに1対1を挑む
11 ステップを踏むことでチェ・ジョンハンの体勢を崩し、フリーで持ち込む
12 フリーの状態でゴール前にクロス。京都はこの場面、中央に飛び込む選手が少なかった
13 大分はこれをカット
14 パスを繋ぎ…、
15 チェ・ジョンハンがクリア、かと思ったが、ちゃんと意図を持って前方へと蹴りだす
16 ピッチ前方で待ち構えていたのは、森島康仁
17 ワントラップでボールをコントロールするとそのまま反転
18 手数を掛けず、シンプルに前方のスペースにパス
19 スペースには…
20 木島悠が走り込んでいた
この場面、先日松本山雅戦の分析で紹介した三平和司を走らせたカウンターに類似しています。森島康仁への縦パスを起点にした攻撃を、効果的に使った場面だったと言えます
21 木島は持ち前の突破力を発揮してバヤリッツァに1対1の勝負を挑みます。木島悠の突破については、松本山雅戦を振り返ったエントリーで紹介しました。木島悠に限りませんが、果敢に仕掛けてくるFWはDFにとっては嫌な選手だと思います
22 抜きにかかる木島悠に対し、体を寄せるバヤリッツァ
23 体を寄せた分、置いて行かれるとGKとの1対1になってしまいます。そのためバヤリッツァは体を入れてファール覚悟で木島を止めに行きます
24 結果的にファールの判定がなされます。この一連の攻撃は大分が持つ堅守と速攻という持ち味が出た場面でした。結局バヤリッツァにはイエローカードが提示されます
25 ものFKの場面。キッカーは森島康仁でした。足元がうまい選手ではありましたが、これは驚きました。ちなみに田坂和昭監督は試合後の会見で次のように話しています
【J1昇格プレーオフ:準決勝 京都 vs 大分】田坂和昭監督(大分)記者会見コメント(12.11.18)
Q:森島選手のキッカー、その意味は?
「彼のキックの精度も高いですし、スピードもあるんですよね。かといって、リーグ戦ではなかなか使わず。プレーオフがあったら、一発勝負なので、何か作戦を持っておかなくてはいけないと思いまして、ここまで引っ張っていました」
26 ベンチからのGOサインをもらったのか、心置きなくFKを蹴る森島康仁。直接狙うとは誰も思っていません
27 そんな森島のキックはファーサイドに飛び、
28 そしてゴールネットを揺らします
29 ゴールを決めた森島康仁は、一目散にベンチへと掛けより、そして田坂和昭監督と抱き合います
振り返ってみると、この試合のポイントは、前半立ち上がりの悪い時間帯を大分が無失点でしのいだということ。そして、その後のワンチャンスを大分が確実にものにしたという点でした。
京都の攻撃を逆手に取った見事なカウンターであり、そこからの直接FKでした。
ちなみに京都と大分の成績を比較するとリーグ戦の成績は
3位 京都 74pt 23勝 5分 14敗 61得点 45失点 +16
6位 大分 71pt 21勝 8分 13敗 59得点 40失点 +19
となっています。勝ち星では2勝の差がありますが、勝ち点ではわずかに3点と接近しており、またリーグ戦では大分が2戦2勝と勝ち越しており、得点差は別としてある程度必然的な結果だったとも言えます。
ただ、それにしても意外な大差が付いたJ1昇格プレーオフ準決勝でした。
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