川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ
ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。
JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。
今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。
主審告白
家本政明 著、岡田康宏 構成 東邦出版
ご存知、家本政明さんの本である。
先日行われたサッカーのチカラ展に出演した際にご一緒させてもらった関係で買って読んでみた。
2010年に行われたイングランドvsメキシコの親善試合の主審を勤めた際のレポートで始まるこの本は、家本さんへのインタビューを元に構成された書籍である。
読み進めていて感じたのは、積み重ねてきたその人生のおもしろさ。若くしてトップレフェリーの座についているだけの事はあり、彼をとりまくエピソードには事欠かない。イベントへの出演が縁で家本さんとはサッカーの話をしたこともあるのだが、サッカー以外の話でも引き出しは多そうである。
現役の審判員が書いたという事もありサッカーの領域の話は十分に面白いのだが、個人的に気になったのは時の栖である方に師事したという部分。読んでいてあまり理解が深まらなかったのだが、本書に残されている以上特別な意味があるのだろうと思う。そこをもう少し知りたいところ。
審判員に近い立場の方の著作としては松崎康弘日本サッカー協会審判委員長の「審判目線 面白くてクセになるサッカー観戦術」というものもあるが、こちらは実際に起きた判定について解説したもの。こちらはこちらで面白いのだが、松崎本と比較すると、自らが経験した試合中の出来事を書き出している点が光る。いずれにしても、家本さんの笛をいつも見ているJリーグのサポーターなら一度は手にしてみるのもいいと思う。
なお、家本さんに対しては、長く見ている人ほどいい印象はないと思うが、最近の笛はわりと安定しているように感じている。
個別の判定で言うと、G大阪vs川崎Fでの實藤友紀へのイエローカード+PKや、みちのくダービーでの山形が得点したPKの場面などは、PKを取られたチームの関係者にとっては悔しい判定だと思われる。ただし、實藤選手の件について前述したサッカーのチカラ展で聞いた所、チャレンジされた選手と同時に、チャレンジした側の選手の態勢についても考慮されているとのことだった。具体的には死に体という言葉を使い、チャレンジした側の選手が自らプレーできない状態に陥った場合に無理なチャレンジだと認定し、ファールと判断する場合もあるようだ。そういう予備知識を持ってみちのくダービーを見た場合、なるほど山形に与えられたPKは死に体という表現が適する場面だった。その部分では基準は一定しており、取ろうと思えば対策は難しくなさそうである。
選手とも積極的にコミュニケートしており、サポーターが感じているほどには選手との関係が悪いわけでもないとも言う。
サッカーが選手がプレースタイルを変える場合があるのと同様、家本さんもそのスタイルを変えてきている。もしどうしてもダメ主審という先入観を持たれている方がおられるなら、一度フラットに彼の笛を見てみてはいかがだろうか。新しい側面が見えてくるかもしれないですよ。
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