試合後の会見で三浦泰年監督に聞きたかったのは、北九州の立ち上がりの攻撃を「奇襲」とみなしてもいいのかということだった。いい内容で試合を進めながら、0−1で敗戦した26節の湘南戦が頭にあったこともあり、ロングボール主体の組み立てが不思議だったからだ。
三浦監督の答えは「彼ら(北九州の選手たち)に、裏へ長いボールを蹴れとか、後ろに繋げとか指示はしていません。彼らに判断させています」というものであり「相手が考えていないこと」を選手が判断したというものだった。奇襲かどうかを監督自身の口から聞くことはできなかったが、間接的に認めたと考えていいだろう。
三浦監督の言葉に沿うように、アンカーとして試合を締めた(チーム内の罰ゲーム的なもので金髪にして以来、それを続けている)北九州の新井涼平は「うちがつなぐのはどのチームも研究してきている。だから最初は簡単に蹴ろうと思っていました。状況を判断して、その場にあったプレーをしようと思っていました」と述べている。
北九州のロングボールへの対応を誤った千葉は、前半開始からわずか10分で2点を失い、一人が退場し、交代枠を一つ消費させられた。千葉のある選手は、北九州のロングボールに対し、対応が後手に回ったことを悔やんでた。
栃木の松田浩監督から、サッカーを戦う際に必要な概念として、孫子の兵法を引用しつつ、「正攻法で戦い、奇襲で勝つ」との話を聞いたことがある。奇襲で3点をリードした北九州は後半、そのアドバンテージを維持すべく正攻法であり持ち味であるパスワークで千葉を翻弄し、無失点に抑えた。
3-0という試合結果に対しては、北九州が後半に見せたような。そして定評の出てきたパスワークを駆使する一方、それに反するように見えるロングボールも、状況に応じて選手が判断して使えるようチーム作りを進めているという点で、千葉との間にチーム力の差が出たのだということだろう。
千葉を下した北九州は、0ー1で敗れた湘南戦後8戦6勝2分けと負けなしの戦績を続けている。順位こそ10位と前節からの変化はないが、プレーオフ圏内である6位との勝ち点差は5であり、にじり寄りつつあるところだ。湘南戦後に三浦監督が口にした「我々はまだ死んでいないということを立証できた試合だと思う」との言葉を、結果を残しつつ改めて証明した形となっている。
一方ホームで敗れた千葉は、試合後にサポーターがスタンドに居残り、抗議する姿が見られた。木山隆之監督も説明に立ったが、最後は拍手で解散となっている。あの怒りの居残りがチームにどのような力をもたらす事になるのか。この北九州戦を終えた千葉の勝ち点は57で、順位はプレーオフ圏内の5位である。
香港人の知り合いが言うには、彼も含めて中国人はまどろっこしいサッカーが嫌い。だからショートパスを多用するスペインだったり日本の試合よりは、激しくぶつかり合うプレミアリーグのサッカーの方が好きらしい。そんな彼に千葉vs北九州の前半を見て欲しい。北九州の奇襲攻撃は見応え充分だった
— 江藤高志さん (@etotakashi) 9月 17, 2012
千葉は前半6分に青木が退場しそのFKから2点目を失ったが、そこから30分近く耐えつつ何度か決定的な機会を作り出していた。そんな試合展開だっただけに、34分に3失点目を喫したのが痛かった。両監督はハーフタイムにどんな指示を出して選手をコントロールするのか。後半も楽しみです
— 江藤高志さん (@etotakashi) 9月 17, 2012
@toritentrinita 監督が指示したのかなと思ったら選手が自主的にやってたことだったらしくそういう部分でも大人なサッカーをするチームだなと>北九州。このままプレーオフ圏内に入って行くと面白そうですが、場合によっては九州対決もありうるのか。豊前、豊後の豊国決戦とかやばそう
— 江藤高志さん (@etotakashi) 9月 17, 2012
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