川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。

 前半に3点目を奪った時、スタンドから「セーフティーゾーンまであと1点だな」という声が聞こえてきていた。

 話は一時、前節に遡る。アウェイでSAGAWAと対戦していた町田は80分までに3点をリードし、そしてそこから悪夢のような3失点を喫する。ポポヴィッチ監督は「3−0から10分間で3点を追いつかれたのははじめて」の事だったと振り返っている。もちろん、衝撃的な結末はサポーターの脳裏に焼き付いており、スタンドからの件の発言となるのである。



 MIOびわこ草津との試合を振り返る会見の際、問わず語りにそのSAGAWA戦の話に言及したポポヴィッチ監督は、そのSAGAWA戦での3失点から「何かを学べたと思う」と話すと「3−0で気を抜かず、より多く得点を取ることを、結果を出すことができました」と胸を張った。前半の3得点に続き、町田は後半も3点を積み重ねていた。

 6−0という結果について「相手チームとの噛みあわせもあると思います」と話すのは津田和樹。「前から取りに来てくれたことで、パスを回しやすくなった」のだと言う。一方、びわこを率いる和田治雄監督は「攻撃力がある町田との対戦に際しては。いくつかの戦い方がある。一つは下がって守ってカウンターでチャンスを狙うやりかた。もう一つは攻撃力に攻め返すやりかた。今までの戦いも考えたときに2つめの先手を取る戦いを取った」と話し、打ち合いを想定していたのだという。びわこは前線から町田を攻め立てようとして、その矢先の1分にCKから田代真一に失点を喫する。

 そもそも打ち合いを覚悟していたびわこにとって、この1失点は攻撃的に打って出る事を後押しする推進剤にはなるのだが、前に出ようとすればするほどに町田のパスワークの餌食となる。効果的なプレスを掛けることができないびわこは、11分に鈴木崇文に30mほどの直接FKを決められて窮地に立たされる事となる。

 前半のびわこは、ここで一度ペースを緩めている。全体をコンパクトには維持するが、前からのプレスは控えめにして、自分たちの守備ブロックの中に町田のボールをおびき寄せ囲い込む戦いへと転換するのである。しかし37分に酒井良に3点目を奪われてしまう。

 3点を追いかけるびわこは、後半の頭から2枚の交代カードを切る積極策を採用する。「前半は攻撃のための守備がうまく行かなかった。そこで後半はフレッシュな選手、ヘディングの強い選手を入れた」とその交代を説明する和田監督の言葉を具体化させるかのように、選手たちは前からのプレスに打って出る。

 高い位置でボールを奪い、相手ゴールに近い位置から攻撃をスタートさせる、という狙いを持った交代采配と、それによる選手の奮闘ではあるのだが、町田はここで非常にうまくびわこのプレスをいなすのである。

「前から出てきたら、無理をせずにがむしゃらに行かず、横パス、バックパスを使って相手を走らせることができたと思う」と話すのはポポヴィッチ監督。全力のプレスをかけてくるびわこの選手の圧力をうまくかわしながらボールを回し、最終ラインから相手の最終ラインの背後を狙う。パス回しの共通理解と、正確なフィード。そしてそれを受けた選手のフィニッシュへの精度の高さが、57分のディミッチによる4点目、66分の山腰泰博による5点目を生み出していた。山腰は81分にもゴールを決め、町田が大量6得点をリード。守備陣はなんとか1得点を返したいと前に出たびわこの攻撃を跳ね返し続け、無失点で試合を終えるのである。

 この試合のポイントは、やはり前節の悔しい引き分けに求めるべきなのだろう。

 10分で3失点を喫した前節の試合後。ポポヴィッチ監督はロッカールームで「80分できたことを90分。レフェリーによっては追加タイムによって100分、105分にもなる。それを続けようと、それだけ伝えました」と選手たちに話したのだという。そしてそれはつまるところ「責任感を持ってプレーする」ことなのだとも話している。

 前節、3−0の試合を3−3にされた選手たちは、そのポポヴィッチ監督のロッカールームでの言葉をしっかりと胸に刻んでいた。今季ホーム初ゴールの酒井は「(3失点してしまった理由は)責任感です。2人が競りに行ってぶつかって弾き返せばいいのに、何か任せてしまうところがあって、こぼれが相手に転がって。それは気持ちの問題です」とSAGAWA戦を振り返る。そしてその反省を、きっちりとこの試合に生かしたという点で意味があった。

 とはいえ、Jリーグ入りを目指す町田の最終目標は最低限4位以内。出来ることなら2位以内を確保しなければならない。その目標に向けた戦いはまだまだ始まったばかりである。


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◯津田和樹(町田)
(シーズン当初のCBから右のSBに移っているが)元々左のサイドバックをやっていて、右のサイドバックは好きではないんです。でも去年からCBをやるようになって、だからSBに違和感はないですね。CBの時とは体力的な消耗度が違います。もう少し上げていかないとだめです。
(前節の)SAGAWA戦はパスミスが多かった。80分までは良かったんですが。前の選手は4点目を取りに行っていた。守備陣は少しゆっくりしたかった。そこの意識の違いがありました。それを修正して距離感をつめました。
 これからは0−0の状況だったり、先制点を奪われたときに焦らずできるのかがポイントになると思います。
 勝ち方というか、90分間をどう終わらせるのかのイメージは今日みたいな試合は理想ですね。これを維持したいですね。

◯酒井良(町田)
 連動する部分も、精度が上がってきていて、噛み合ってきている。自分たちからアクションを起こしてやれている。これを続けることが大事だと思う。それが出来る時とできない時との差が激しいが、波を無くしていつもああいうサッカーが出来ればと思います。
(前の試合は)ちょっとしたこと。責任感です。2人が競りに行ってぶつかって弾き返せばいいのに、何か任せてしまうところがあって、こぼれが相手に転がって。それは気持ちの問題です。
 順位についてのプレッシャーはないです。最後の方の試合になって切羽詰まってくるんだろうけど、そういうしびれる試合ができるのは喜び。それはぼくにとって楽しみです。


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