川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。


 選手たちがアウェイゴールについて言及する事は、少なくとも自ら聞いた範囲ではなかった。ただ、厳然たる事実として、アウェイゴールを手にしたチームが有利な立場に立てるのは確実である。だからこそ、ホームの柏にとっての0−0は、そのまま試合が終われば悪くはない結果だろうと考えていた。後半ロスタイムの90+3分のFKの場面を迎えるまでは、そういう意味では試合展開としても、2試合を見据えた戦略的な意味でも柏のゲームとして試合は推移していた。

 リーグ戦首位の柏と2位の仙台がいきなり直接対決するという事で、6月5日に開幕したナビスコカップ1回戦第1戦は、日立台を訪れることとした。4失点の柏と、6失点の仙台という、堅い守備を継続してきているチーム同士の対戦は、事前の予想通り、ピリっとした空気の漂う好ゲームとなっていた。

 柏と対峙した仙台の戦いの基本は中を締めるというモノ。サイドまでは崩させたとしても、中へのボールは徹底的に弾き返す。そうした戦いを仙台は90分間に渡り徹底させていた。印象として、柏が押し込んでいるように思える試合展開ではあったが、公式記録上のシュート数は柏がわずかに7本。印象と現実との乖離の大きさで言えば、前日の横浜FC対東京V戦における東京Vの印象に近いものがあった。仙台はある程度の割り切りを持って柏のポゼッションを許しつつ、シュートにつながるペナルティエリア周辺をキチッと締めていたのである。

 そうした仙台の守備に対し、柏の攻守の要である大谷秀和は「中から行く場面が少なかった」と試合を振り返りつつ「中を閉じる相手でも、中を崩していければレベルを上げられた」と悔しさをにじませていた。

 その柏の攻撃をゼロで押さえ込んだ一人である鎌田次郎は、仙台が取った戦いについて「サイドに追い込んで、時間をかけて中で弾こうと考えていました」と振り返る。中を閉められていたと感じた柏に対し、そう意図していたのだと話す仙台の選手。つまり最終的に0−1で仙台が勝利したこの試合は、仙台の守備が試合展開を左右させるキーファクターとして存在していたのである。

 柏にとっては90+3分に喫した失点までの長い時間を、彼らの試合としてコントロールして進めていながら、最終的に仙台にゴールを奪われてしまう。そうなると、劇的に試合の意味が変わってしまう。そしてそれを実現したのは、手にしたFKをダイレクトにゴール前にボールを入れず、松下年宏へとつないだあの梁勇基の判断だった。

 松下年宏へのパスを選んだ梁勇基のプレーについて、大谷秀和は「想定の範囲内」だと話す。ただし「あの時間帯でなければ(距離を詰めるべく)出ていた」とも振り返る。ゴール前の人数が足りなくなる事を恐れたのである。結果的に柏の守備陣は松下に対して効果的なプレスを掛けられず、中島裕希の「合わせるだけというか、本当に無心に、ボールに合わせて振った」というヘディングシュートにつながるのである。

 ロスタイムでの劇的な決勝点により仙台がアウェイゴールを手にしつつ、1回戦第1戦を先勝した。仙台にとっては願ってもない展開である。アウェイゴールでの1点のリードは、すなわちホームでの2点のリードとほぼ同値である。このアドバンテージが、仙台にどう作用するのか。そして柏をどのような精神状態に追い込むのか。7月27日の仙台での第2戦が非常に楽しみである。

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