前半の水戸を見ていて気になったシーンが何度かあった。フリーの状態でボールを受けた中盤の選手がパスを出せずにズルズルとドリブルするという場面である。相手を食いつかせる意味もあったのかなと思いつつ、結果的に効果的な場面を作れておらず、リズムの悪さを感じた。
試合は結果的に0−0で引き分けるのだが、後半の水戸は、前半に感じたリズムやテンポの悪さを修正しており、そういう意味で持ち直しているように見えた。
そんな試合後の柱谷哲二監督の言葉の中にこんな下りがあった。
「先週のゲーム、神戸戦で40本くらいパスミスがあった」
これを聞いて、前半の水戸のリズムの悪さはボールを大事にしすぎたことに起因することを理解した。実際、山村佑樹に話を聞くと「(前節の試合もあって)大事にしようとしたところはありました」と述べ、それによって「ボールが回っていなかった」と話している。またそうした前半の悪さを踏まえ「後半はつないでいけるように意識していました」と振り返ってくれた。その言葉にもある通り、水戸の後半のボール回しは改善が見られた。
前半のリズムの悪さを意識付けで転換できる柔軟さが水戸にあったという点で、興味深い試合だった。
対する東京Vは、試合を通してシュート機会を作り続け、本間幸司が守る水戸ゴールを襲い続けたが1点を決めきれず。そうした決定力不足について問われた三浦泰年監督はこの試合に向けて「コンフォートゾーン、居心地のいいところにしてはだめということ」をテーマにし、厳しい雰囲気の中での練習を行なっていたという。そうした意識付けを行ない練習を組んでも結果を出すことはできなかったという点で東京Vにとっては残念な試合だった。
ただ、無得点という結果について三浦泰年監督は「ブラジル人がよく口にする『決定力不足ではない、実力不足だ』とまでネガティブに考える必要はない」と述べ、チームの伸びしろに手応えを感じているように見えた。チャンスを作りながらの無得点という試合の責任の所在がどこにあるのかは難しい問題ではあるが、少なくともそれを解決させるための方法論を三浦泰年監督は模索している。
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