川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。

 印象だけで振り返るとして、前半は北九州の試合だった。しっかりとボールをつなぎつつ、相手のポジションをずらし、タイミングを見計らって縦に楔のパスを入れる。そういうサッカーができていた。東京Vはそうした北九州のサッカーに対し為す術がなかった。ただ、そうした展開の中で消化不良的な感覚が蓄積されていたのも事実だった。

 物足りなさの原因は、ボールを支配していた北九州のシュートの少なさだった。公式記録を見返すと、あれだけ東京Vを圧倒していた前半の北九州のシュート数はわずかに2本。ボールを回され続けていた東京Vが、それでも3本のシュートを放っている事との比較で言えば、より効率的に試合を進めていたのは東京Vだった。

 会見での三浦泰年監督の「前半から難しい試合でした。狙い通りの攻撃のリズム、テンポが出せなかった」という発言に若干の違和感を覚えたが、数字は雄弁だったという事になるのだろう。

 ただ、東京Vも決して前半を評価していたわけではなかったようで、後半に放った3本のシュートでハットトリックを達成した平繁龍一は「ハーフタイムに(監督から)怒られました」と話している。最後のところで守れてはいたのだろうが、それでもボール支配率で圧倒され、シュートも3本しか打てない前半の状況はさすがに川勝良一監督の逆鱗に触れたようである。

 後半49分に東京Vの小林祐希が2枚目のカードをもらい退場に。前半の流れを考えれば、ここから北九州が圧倒するのだろうと考えたが、試合は逆の方向に進んでいく。気が緩んでしまったのか、北九州のプレスが弱くなるに従い、東京Vの時間が増え、61分に井上平が先制のヘディングシュートをねじ込む。

 圧倒されていた前半をしのいでいただけのことはあって、東京Vの守備は固かった。その一方で、51分に交代のピッチを踏んだ菊岡拓朗が、平繁龍一とのホットラインでチャンスメイクを続けた。

 数的優位を生かしたい北九州が前への気持ちを募らせる一方、東京Vは虎視眈々とカウンターを狙っていた。川勝良一監督から守備の指示と共に「攻撃の時は自由に。あとは平繁を見ておけ」と言われていたのだという菊岡拓朗に対し、平繁本人も「キクさん(菊岡拓朗)が持ったら一番良いボールをだしてくれる。キクさんが持ったら相手の嫌なところを突くようにしていた」と話し、二人の間に確固たる信頼関係が結ばれている事が伺えた。

 前半だけを見れば、そして後半49分の退場劇を見る限りにおいて、4−0という点差での決着は想像の範囲を超えていた。しかし、結果は4点差の付く一方的なものとなる。東京Vの我慢強さがこの結果をもたらしたのと同時に、ポゼッションができている北九州はシュートを打つための最後の組み立ての精度を上げていくしかないのだろう。

 会見で三浦泰年監督は「数年間をかけてチームを構築するときに、これがいい試合だと言える時が来ると思いたい」と話している。そういう視点で言えば、アタッキングサード手前までの形は出来ていた。北九州のサッカーは、よく言えばまだまだ伸び代を秘めている。しかし厳しめの言葉を使えば、改善が必要であるとも言える。

 一方、今季ホーム初勝利の東京Vは、そういうスタイルもありだなと。つまりは、ブサイクでもまずは勝つことが大事なのだと、そういう考え方を改めて見せてくれた。そういう試合であり、それだけの試合だったように感じた。

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