03 10月 2011

ずっしりと重たい映画「ぐるりのこと」


ぐるりのこと。

ずっしりと重たい映画である。

全ての物事を"ちゃんとしたい"奥さんと、どことなく抜けている旦那さんとの日常を描いた作品である。

ちゃんとしたくて、ちゃんとできれば問題はないのだろうが、ちゃんとするというプレッシャーに押しつぶされてしまうと、人は簡単に壊れてしまうもの。そんな怖さが描かれていた。正直な話、映画の前半部分は重すぎて見るのが辛いほど。

それは奥さんの壊れっぷりとともに、法廷画家となる旦那さんが、日々法廷で直面する常識はずれの被疑者の言動によって増幅される。

全編、重たいトーンのままで進むのかと思っていたが、最後にこの夫婦は救われる事になる。前を向こうとする意欲と、パートナーに弱さをさらけ出す勇気と、それを受け止めるパートナーの懐の深さと、そして立ち直るきっかけを自らが持っていた能力によってたぐり寄せる事ができたから。

精神を患った家族との先の見えない戦いは、それを受け止める家族の懐の深さがなければそれを継続させるのは無理だという事なのだろう。

そして、精神を病んだ本人の内面に、前に進もうとするわずかなココロの燈がなければ戦いを継続させる事は不可能なのだろうと思う。

重いけれど、重さに耐えた先に光明が見える、そんな映画でした。






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